たくき よしみつ の デジタルストレスキング デジタルストレス王

2005年1月7日執筆  2005年1月11日掲載

犯罪のビジネス化

オレオレ詐欺というのは結構イケてる名称だと思っていたが、いつの間にか「振り込め詐欺」という名称に変えられている。こういうのって、ある日を境にあたかも当然のような感じで「切り替え」が完了するのだが、誰が決めてどうやってメディアが足並みを揃えるのか、いつも不思議に思う。
で、その振り込め詐欺。、以前、AICにも書いたが、要するに「ビジネスとして成立する」から増え続けている。
やってもまず捕まらない、たとえ捕まっても処罰が軽い。リスクと儲けを天秤にかければ、圧倒的に儲けのほうが重い。
逆に、やればほぼ確実に捕まる、捕まった後の痛手が大きければ(儲けより罰金や禁固刑でのダメージのほうが大きければ)、敢えてリスクを冒してまでやるやつは減っていく。

振り込め詐欺に関しては、とんでもないことが報道されている。犯罪者が裁判所を利用して「正規の督促状」を送りつける手口が増えてきたというのだ。
裁判所では、書式さえ整っていれば「本物」の督促状を送る。内容の真偽を判定はしないということらしい。で、督促を受けた場合、2週間以内に異議申し立てをしないと、財産差し押さえなどの強制執行を受ける可能性もあるというのだが、こんな馬鹿な話があっていいはずがない。

内容の真偽が問われないまま強制執行が可能などという法律があるだろうか。もし本当に「強制執行を受ける可能性がある」のなら、まずは法改正を早急にするべきだし、同時に、このように裁判所を詐欺に巻き込む犯罪には重罪を課さなければおかしい。
結局、こうした馬鹿げた事態も、犯罪者が犯罪を「ビジネス」として計算しているから出てくる。日本という国の「法治」がなめきられているわけだ。
刑務所が満杯で収容できないなら、罰金刑の桁を大幅に増やすことだ。詐欺犯罪者は元手も労力もほとんどかけずに巨額の金を騙し取っている。数十万だの数百万だのという罰金刑など何の歯止めにもならない。犯罪の内容によっては「上限なしの罰金刑」というものを制定すべきだ。

処罰というのは、犯罪の内容と同種の痛みを持つものにするのが効果的だろう。
例えば、暴走族には車に乗れなくさせることがいちばん効果がある。即免許取り消し。さらには長期の免許再取得禁止期間を設ける。免許再取得後も、何回かの更新までは、ゴールド免許の反対で「ブラック免許」を持たせる。これで確実に暴走族は減るだろう。
同様に、詐欺犯罪者には、高額の罰金刑と同時に、営業行為禁止・制限期間を設ける。再犯時の罰則累積強化制度も導入する。
また、前にも書いたが、被害者が出る前の「詐欺を仕掛けた」時点で刑罰を与えられるようにすることが重要。

要するに「ビジネス」として成立しなければ、詐欺犯罪は減っていく。今のままでは、どんどん、正直者が馬鹿を見る社会になっていく。
天災(と、人災的被害増大や二次被害)に向き合うだけでも息苦しい現代、せめて、人の手で、つまり「法」で解決できることは、さっさと解決の方向に進んでほしいものだ。

(c) Takuki Y. http://takuki.com
落ちそう……
●落ちそう……
(c) Takuki Y. http://takuki.com

追記:
僕がAIC(Asahi Internet Caster)に加わったのは2002年からだったが、丸3年を経て、とうとうAICがasahi.comの「表(おもて)」から姿を消すことになった。
2005年のこの回からは、アスパラクラブという朝日新聞社の会員制コーナーに入ることになったからだ。
(経緯に関しては、AICを切り盛りしていた穴吹さんのコラムをご参照ください。)
アスパラクラブで読みたくない、というかたは、かなり更新は遅れますが、こちらで引き続きおつきあいください。

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