たくき よしみつ の デジタルストレスキング デジタルストレス王

2005年7月29日執筆  2005年8月2日掲載

続・あの手この手のメール詐欺

まずは、以下のタイトルコレクションをご覧あれ。


Re:お問合せ16:47:41
まだかかりますか?
重要⇒苦情殺到の影響で・・・
どうも~
その節は大変失礼致しました。
初めてのことでした。
どうしてもお願いしたいことがあり、メールしました。
ごぶさたしちゃったね~♪
Re:そういえば
いいかげんやばいんじゃないの?
24時間以内にお願いします。
今平気ですか?
【緊急】
ありがとうございます。
担当させていただきます。
Re:お疲れ様です
先日の件ですが
新着メールがあります。19:29:55
どうしようもないねぇ(涙
暴力に悩んでいます。
お問合せの件
時間とれますか?
相談にのって欲しくてメールしました。
お分かりになりますでしょうか?XXX(女性名)です。
先日は有難う御座いました。
こんにちは。18:22:02
やっとだよ
わかりますか?


お察しの通り、これらはすべて詐欺メール、迷惑メールのタイトルである。
前回、5月にも「あの手この手のメール詐欺」ということで書いたが、あれ以後もこの手のものはますます増えていき、毎日数十はくる。
「先日は有難う御座いました。」なんてタイトルのメールを受信すれば、ほとんどの人は開いてしまうだろう。
出版界だけでなく、メール詐欺業界もタイトルが命の時代になっているようだ。

中身はほとんど同工異曲。
あなたとセックスしたがっている女性がいる。女性のほうから希望しているのだから、お金も払う。まずは連絡を。……というようなものばかり。個人名で来るのと、そういうサークルに入りませんかというものに分かれるが、結局は同じ内容だ。
セックス関連の迷惑メールでも、海外からものの大半はもっとストレートだ。シアリスやバイアグラといったインポ治療薬のセールスか、あそこを大きくできますよというようなものばかり。日本のように「女性とセックスできてお金ももらえます」という内容の欧文迷惑メールは見たことがない。
日本だけなのか、こんなアホな詐欺が通用する国は。

この手のメール、夫婦でメールアドレスを共有しているような家では、
「あなた、『相談にのって欲しくてメールしました』っていうこの女性は誰ですかっ!?」
なんて、配偶者が血圧上げているかもしれない。そんなミニ修羅場が、日本全国あちこちで毎日繰り広げられているとしたら、本当に「迷惑」メールだなあ。

この手のメールは、もちろん男性だけでなく女性にも、企業の代表アドレスにも送りつけられる。毎日こんなメールを受け取っている女性たちは、男性以上に「一体なんなんでしょ、この国は」としらけきっていることだろう。

最近、Spam Mail Killer というフリーソフトを導入した。spamとおぼしきメールを事前にサーバーから削除してしまうというもので、効果は絶大だった。毎朝起きると、まずパソコンを起動させるが、起動直後にSpam Mail Killer がメールサーバーを巡回し(僕はこまめにチェックしなければならないメールボックスだけで10個くらい持っている。そこに振り分けて着信させているメールアドレスの数はもっとある)、寝ている数時間に溜まった100通以上のspamをダーーっと一括削除してくれる。その後に受信をすると、受け取るspamの数は激減している。

spamと判定する基準はいろいろあるが、いちばん効果的なのは「Outlook とOutlook Express以外からのHTMLメールを削除する」という条件。これで海外からの欧文spamの大半が消えてくれる。
本当はHTMLメールは全部削除したいところだが、Outlook Expressをデフォルトで使って、無意識のHTMLメールを送信している初心者対策として、Outlook Expressから送信されたHTMLだけは削除しないようにしている。

日本語のspamはテキストメールが主体だからなかなかしつこい。
香港のIPから送信されているものが多いようで、香港経由のメールを拒否、という設定をすると、結構消えてくれる。しかし、本来、国別に受信拒否をするような設定は「インターネット」ではなく「国粋ネット」になってしまうのでやりたくないところだ。
送信者アドレスはほとんど偽装されていると考えていいが、別物に見える迷惑メールが、ヘッダ情報を見ると同じサーバーから送信されていたりする。その場合は、そのホスト名をヘッダに含むメールは削除、というフィルター条件を新たに追加しておく。
それでもすり抜けてくるspamが何通かある。こういうのは「あっぱれ」などとは言えない。苦々しい思いでDelキーを黙々と押す。

Spam Mail Killerは本当に助かるが、受け取らなければならないメールが削除されていることもある。しかし、削除されたメールはログとして記録され、本文最初の十数行分くらいはログにも記録されているので、まったく気づかずに削除してしまうことはない。
削除されてしまっているメールはほとんどがHTMLメールだ。
現代では、意味もなくHTMLメールを送るのは「常識外れ」であることを認識したほうがいい。これだけspamが氾濫している現状では、意味もなくHTMLを添付したメールは削除されても文句を言えないと思ったほうがいい。

また、Re:がタイトルの頭についていて数十KBの添付ファイルをつけたメールなどは、ウイルスと間違われやすいので注意したほうがいい。この条件でメールを削除しているフィルターもある。

それにしても、なんでこんな世の中になってしまったのかなあ。
インターネット黎明期は善意で成り立っていた。SMTP(メール送信用)サーバーに認証をつけるなんてことは考えていなかった。
街の中にある郵便ポストの投入口に鍵をかけていないのと同じことで、利用者の常識に委ねられていた。
郵便ポストへの郵便物投函は切手という代償が必要だから、spamメールのように迷惑郵便物であふれかえることはない。しかし、サーバーアタックのような、嫌がらせには無力だ。郵便ポストの中に火のついたものを投げ入れるといった犯罪がたまに起きるが、これが日常化するような社会になったら、本当に世も末だ。
ネット社会は、すでにそうした「世も末」状態にある。
ということは、ネット社会の崩壊・消滅は意外と近いのだろうか?



●満腹アマガエル(2005年7月25日撮影)
(c) Takuki Y. http://takuki.com

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