たくき よしみつ の デジタルストレスキング デジタルストレス王

2002年1月3日執筆  2002年1月8日掲載

室伏広治に十種競技をやってもらいたい!

こういうご時世だから、正月くらいは深刻な番組は見たくないと思ってしまう。
お笑い、スポーツ、大食い……。今年はTBSが、テレビ東京が発掘し、育て上げた大食いタレントたちをごっそり引き抜いて、段違いの予算をつけて特番を組んだが、あれじゃあテレ東が可哀想だ。
TBSにはしかし、世界に誇る『筋肉番付』という番組がある。今ではすっかり正月特番として定着した『スポーツマンナンバーワン決定戦』は、実に見応えがある。オリンピックのメダリストを含むプロスポーツ選手たちが、本気で綱引きしたり跳び箱を跳んだりするのだから、面白くないわけがない。

実はわたくし、結構な陸上フリークなのである。いい歳をして、田村有紀選手(覚えているかなあ。松野明美がソウル五輪の1万メートル代表に選ばれたとき、最終選考の日本選手権で、あと数秒で参加A標準記録の33分を切れなくて涙を呑んだ、当時、日産自動車所属の女子長距離選手)にファンレターを書いたこともある。彼女をイメージして、名前も同じ「有紀」という主人公が登場する小説を書いたこともある。
高野進がバルセロナ五輪の400メートルで決勝に残ったときは、涙が止まらなかった。弘山晴美が五輪代表に選ばれなかったシドニー五輪の選手選考には、憤慨してあちこちで抗議の文章を書いた。
……と、この手の話を書き始めると止まらなくなるので、話をTBSの『スポーツマンナンバーワン決定戦』に戻そう。
この番組に、室伏広治が初めて登場したのはかなり前のことだ。当時はまだ「日本の室伏」で、世界の舞台でメダルを争うほどの力はつけていなかった。それでも、彼の運動能力の高さには、誰もが度肝を抜かれた。
10kgの樽を放り上げる「ガロンスロー」や、ぶっといゴム紐をつけて背中合わせに相手を引っ張る競技では無敵。段違いの強さを見せつける。それはまあ分かるのだが、短距離走のスピードや反射神経を問われる「ビーチフラッグズ」と呼ばれる競技でも、短距離のスペシャリストたちを簡単に負かしてしまうのだ。

聞くところによれば、彼の100メートル走の記録は10秒台だという。これはとてつもない速さだ。
彼の、身長187cm、体重91kg という恵まれた肉体は、「アジアの鉄人」と呼ばれた父親+世界レベルの槍投げ選手だったルーマニア人の母親の遺伝子が組み合わさった結果。しかも、強くなるために必須の「素直さ」も持っている。これほどの好条件で生まれ育った日本人アスリートは滅多にいない。

で、室伏広治が今やハンマー投げで世界のトップクラスに到達したことは素晴らしいことなのだけれど、僕は以前から、室伏こそ十種競技をやるべきではないかと思っていた。
ハンマー投げがマイナーだと言っているわけじゃない(ちょっとは言っているんだけれど)。一度でいいから室伏の十種競技者としての可能性を見てみたいのだ。
そこで提案したい。
TBSは、「室伏広治 vs ケイン・コスギ in 十種競技対決」というスペシャル番組を企画してほしい。当然、ケインには本格的なトレーナーをつけて各競技を練習させる。
室伏もすごいが、ケイン・コスギもものすごい。誰がどう見ても、ケインの才能は「俳優」なんかじゃない。彼は「運動能力パフォーマー」という新しいジャンルのプロだ。
室伏としても、芸能人に「陸上」の正式競技で負けるわけにはいかない。当然、普段はやっていない棒高跳びや円盤投げといった競技も真剣に練習してこの特番に臨むことになる。
さて、結果はどうなるだろうか。
ひょっとしたら、とてつもない記録が出るのではないだろうか。

十種競技というのは、その名の通り、10種の陸上正式種目を5種目ずつ2日間に渡って行い、点数を競う競技だ。ヨーロッパでは十種の勝者は「キング・オブ・スポーツ」として最高の栄誉を称えられる。
1日目には、100メートル、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400メートルの5種。
2日目には、110メートルハードル、円盤投げ、棒高跳び、槍投げ、1500メートルの5種を行う。
これらの種目での記録は「混成競技採点表」というものに従って点数化される。
その計算を簡単にしてくれるサイトというものもあるので、さっそく、室伏広治が、もしかしたらこのくらいはやれるんじゃないかと思われる記録を入れて計算してみよう。

十種競技 コージでGO! はじめ。

まず、初日。
100メートル:
 10秒台の記録を持っているらしいが、ここは控えめに11秒としよう。得点は861点。

走り幅跳び:
 日本記録は8メートル25センチ。それより1メートル引いて7メートル25としてみよう。モンスターボックス16段を跳ぶ彼の跳躍力をすれば、不可能ではないのでは? 得点は874点。

砲丸投げ:
 日本記録は18メートル31センチ。同じ鉄球を投げる競技なんだから、これは得意なはず。これも1メートル引いて17メートル30センチとしてみよう。得点は932点。

走り高跳び:
 日本記録は2メートル32センチ。体重91kgの室伏にはちょっと厳しい。しかし、身長は187センチもある。なんとか踏ん張って2メートル跳べないものか……。ちょっと望みが高い気もするが、実現すれば803点。

400メートル:
 これもちょっと厳しそう。でも、死んだ気になれば、日本記録の44秒78に10秒遅れるくらいなら十分いけるはず。54秒として、640点。

これで、初日は4110点となった。
この調子で2日目に突入。

110メートルハードル:
 日本記録は13秒58だ。ビーチフラッグズでドノバン・ベイリーをも倒した走力なら、15秒ではいけるか? ちょっと高望みかもしれないが、得点は850点。

円盤投げ:
 待ってました。ハンマー投げに最も近い種目だぜ。日本記録は60メートル22だが、彼の能力をすればほぼ同じくらい投げられるのでは? しかしまあ、慣れていないということを差し引いて58メートルとしておこう。得点は大量の1038点。すごいすごい!

棒高跳び:
 これはかなり練習が必要だが、トレーニング次第では、最も有望な種目ではないかと睨んでいる。室伏の総合力は、あの棒高跳びの英雄、セルゲイ・ブブカにそっくりだからだ。ブブカも全盛期は100メートルを10秒2で走ったという。日本記録は5メートル61だが、練習次第では5メートルは跳べる。得点は910点。

槍投げ:
 これも得意の投擲種目だ。日本記録は87メートル50センチだが、室伏なら、73メートルくらい投げても不思議ではない。得点は935点。

1500メートル:
 う~ん、これは最も苦手とする種目だろう。日本記録は3分38秒24。ここは死んだ気になって、なんとか4分20秒で走り抜いてもらう。得点は812点。

2日目の合計は4545点。すごいぞ。1日目との合計は、なんと8655点。
日本人で8000点を超えた選手はまだいない。
ちなみに、シドニー五輪の十種競技、金メダリストの得点は8641点。うぉぉ! これを超えているではないか!

……以上、室伏広治、ついに真のスポーツマン世界一に輝く……という初夢でありました。
しかし、あながち荒唐無稽な夢ではないぞ。
TBSよ、すぐさまこの企画を始動させよう!


☆前回の補足

前回、Outlook Expressというメールソフトのことを書きましたが、「初期設定の仕方が分からない」というお問い合わせがいくつかありました。検索サイトGOOGLEで「Outlook Express 設定」と入力すると、Outlook Expressの設定方法を教えてくれるサイトがたくさん出てきます。いくつか紹介しておくと、

 http://intnet.cc/mailsofts/
 http://www.trendmicro.co.jp/badtrans/oe.asp
 http://home.intercity.or.jp/users/ytera/demeken/mail03.htm
 http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/1003/OutlookExpress.html

 などがあります。肝は、

 1)送信をHTML方式ではなく「テキスト方式」に変更する
 2)ウイルスに感染しないよう、自動プレビューをやめる
 3)文字コードを「日本語(JIS)」にする

 の3点です。

 

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