たくき よしみつ デジタルストレス王(キング) 鐸木能光

2009年5月27日執筆

宇井純が唱えた「公害問題の起承転結」論と風車問題

廣瀬哲雄氏が書いた「『地球温暖化でサンゴ絶滅』は大ウソ! 真実はこうして隠される」(成甲書房刊『エコロジーという洗脳』──地球温暖化サギ・エコ利権を暴く[12の真実] 副島隆彦+SNSI 著 収録)という文章を最近読んだ。実に興味深かったので、ここに概要を記して、風車問題との関連を考えてみたい。

廣瀬氏は、公害問題追及の第一人者・宇井純氏(故人・沖縄大学名誉教授)の教え子だそうで、宇井氏の「公害問題の起承転結」という説(『日本の水はよみがえるか』日本放送出版協会 1996)をまず紹介している。
……という論だ。

水俣病を例にとれば、まず、この奇病が「公害」であると気がつくまでに時間がかかった(起)。
水銀原因説などが出てきても(承)、それに対して御用学者らから低レベルかつ詐欺的な反論がなされ(転)、最後はうやむやにされる(結)。

現代では、この起承転結のシナリオに、「地球温暖化」プロパガンダが巧妙に利用されている、と、廣瀬氏は主張する。
実例として出しているのが沖縄のサンゴ死滅問題だ。
温暖化で死滅寸前の沖縄のサンゴを救うために、沖縄の海から採取した後、サンシャイン国際水族館(東京都豊島区)で育てたサンゴを沖縄の海に戻すという試みが行われているという新聞記事(産経新聞2008年1月7日紙面)や、「温暖化からサンゴを守れ 大手企業、積極支援」(FujiSankei Business i. 2008年1月17日付)の記事をとりあげている。
これらの記事は誰が読んでも、「沖縄のサンゴは地球温暖化で死滅の危機にある」という大前提で書かれているわけだが、実際には沖縄のサンゴ死滅問題は地球温暖化問題などが論じられる前(1970年代初頭)から問題になっており、その原因は農業基盤整備事業などの大規模公共事業による土砂の流出(海への流入)と、畜舎廃棄物の無処理放出であるということが分かっている。
沖縄県議会の議事録(1983年3月5日)にも、中根章議員がそれを厳しく指摘していることが記されている。

それがいつのまにか「地球温暖化でサンゴが死滅の危機」にすり替えられてしまっている、というのだ。
サンゴを守るために、養殖サンゴの移植を手がけるプロジェクトが立ち上げられ、企業や個人から資金を募る。企業は「我が社は沖縄のサンゴを守るためにサンゴ再生プロジェクトに参加しています」という「環境重視企業証明」というPRができる。キャンペーンに乗せられた環境派を自認する人たちも、なけなしのお金を投じてサンゴの海を守ろうとする。
しかし、原因は大規模開発による土砂の流入なのだから、それを放置したまま養殖サンゴを移植したところで意味がない。実際、移植したサンゴも次々に死んでいるという。

これはまさに、風力発電問題と同じだ。
地球温暖化という、「間違った前提」を反論できない常識のように世界的にPRし、温暖化を防止するためには風力発電は最も有効だという誤った情報を流す。
風力発電は使い物にならないから、税金を投入し、それでも足りない分は「グリーン電力証券」などというキャンペーンで民間から金を集め、無理な事業を強行する。
その結果、貴重な自然環境が大規模破壊され、資源が無駄遣いされる。

かつて公害がピークに達していた時代、「公害の起承転結」で、原因企業や、それを放置する、あるいは結託して私腹を肥やそうとする官僚の悪事を追及しきれないことを嘆いた宇井純氏が生きていたら、現代の、公害を隠すだけでなく、積極的に公害事業を美化、正当化する新手の詐欺をどう見ていただろうか。

宇井純氏の精神を継承する廣瀬氏は、こう論破する。
  1. 「CO2による地球温暖化問題」は、はじめから存在していないか、あっても微少である。
  2. それでもCO2による地球温暖化を主張することは、誰かの、何らかの利益を目的としている。
  3. 実際に沖縄では、CO2による地球温暖化を隠れ蓑に、責任をとるべき人間が、責任逃れをしている。
  4. 沖縄のサンゴ礁絶滅問題のような、典型的な地域環境問題までもが、「CO2による地球温暖化」によるものとされている。だとしたら、なんだって「地球温暖化」を原因とできる。
  5. したがって、これら「CO2による地球温暖化」を原因とする環境問題は、はじめから存在しないか、具体的な被害があっても、本当の原因を見せないようにする隠れ蓑になっている可能性が高い。少なくとも別の原因を疑うべきだ。
これはまったく、その通りだ。
そして、責任をとらないための隠れ蓑に利用するだけでなく、CO2による地球温暖化プロパガンダを利用し、積極的に環境破壊を進めて利権のおこぼれにあずかろうとする者たちが、国策として税金を投入し、強行しているのが、巨大風力発電プラント事業だと言えるだろう。

風力発電を進めている官僚たちのほとんどは、こんなことは百も承知の上でやっている。彼らは環境問題など考えていない。考えている、あるいは信仰しているのは「経済」、もっと端的に言えば、「金儲け」だ。
そして、「経済」とは、要するに「地球の脂肪」である。適正量を超えれば、地球という生命体は命を縮める。
現代エコビジネスのほとんどは、脳梗塞まで起こしてまともな判断力を失った重度の糖尿病患者が、「チョコレートは健康にいい」といってドカ食いしているようなものである。
マイナス成長というあたりまえのダイエットをする覚悟を持てないで、最後の悪あがきを続けているだけだ。

風力発電被害に関するミニリンク集

οノーウィンドファーム・ネット こちら

ο南伊豆に今何が起こっているのか? 〜 渥美半島の風車被害から学ぶこと〜 こちら
 TOPページ「風力発電問題 南豆の和」 こちら

ο風車病とは? こちら
 TOPページ 黙殺の音 低周波音 こちら

ο伊豆熱川(天目地区)風力発電連絡協議会のブログ こちら

οドンキホーテの会 第一回発電風車シンポジウム【低周波について】 こちら

οこれだけは止めなければ─エコビジネスの裏に潜む悪魔─(阿武隈日記) こちら 

ο朝日新聞の風力発電被害の記事 こちら=

ο風力発電はこれでいいのか 汐見文隆(医師)公式サイト こちら=

ο「温暖化の脅威を語る気象学者のこじつけ理論」 by 槌田敦 ……を転載したブログ 言の葉の幹を捜す 「境目を造る環境」から「響き愛の環響」へ こちら=

ο段が峰の自然(段ヶ峰の風力発電を考える朝来市民の会) こちら

ο09/03/05 松阪市議会・一般質問(松阪・白猪山の風力発電)の内容(松阪市議会議員  海住恒幸 Report) こちら

ο保坂展人衆議院議員が提出した風力発電施設に関する質問主意書の内容 こちら
および、それへの政府の答弁書 こちら

οブログ 弁護士の法的独白「風力発電の電気購入について」 こちら

οマスコミに踊らされないための地球温暖化論入門 こちら

ο福井県敦賀市市議会議員今大地はるみさんのブログ(風力発電事業関連の報告あり) こちら

οブログ”黙殺の音” 低周波音 こちら

ο朝日新聞の記事「風車新設各地で反対 周辺住民へ説明不可欠」(編集委員・武田剛) こちら

ο白滝山パトロール(ブログ) こちら


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