たくき よしみつ の 鐸木能光のデジカメ・ガバサク談義 デジタルストレス王

デジタル一眼レフカメラの手ぶれ補正機能はカメラ側? レンズ側?(2007年7月編)

D40の登場をどうとらえるか?

D40 デジタル一眼レフを買っても手ぶれ写真の量産になる人がたくさんいます。
デジタル一眼レフカメラ用の標準キットレンズは18-50mm/F3.5-5.6というスペックが多いのですが、これだと望遠側が物足りないだけでなく、室内ではフラッシュなしでの撮影が困難です。頑張ってロングシャッターを切ったとしても、手ぶれ補正機能がない場合、ぶれるのは必至。
また、タムロンが18-250mm(35mmフィルム換算で画角は28-375mm相当)という広域ズームを出しました。シグマやメーカー純正でも、18-200mmが出ています。
このタムロン18-250mmは、発売当初、ペンタックス用やSONY用が出ていなかったため、CanonやNikonの手ぶれ補整機能なしボディと組み合わせるしかなかったのですが、最望遠側ではどう頑張っても手持ちではぶれます。改めてボディ側に手ぶれ補正機能が内蔵されていることの重要性を確認させられました。
そうした理由から、私は今なお、手ぶれ補正機能内蔵の一眼レフ(現状ではSONYかペンタックス)+明るい社外製レンズ(タムロン、シグマ)の組み合わせを推奨しています。

しかし、2007年に入り、状況に若干変化が出てきました。
ひとつは、NikonがD40という驚異的に安いデジタル一眼レフカメラを発表したこと。標準ズームがついたキットが5万円強という、高級コンパクトデジカメより安い価格で売られています。
D40は基本性能は問題ないのですが、手ぶれ補正機能がないことに加え、ボディ側にオートフォーカス用のモーターを内蔵していないため、他のNikonのデジタル一眼レフカメラのように、Nikonマウントのレンズが広くAF対応で使えるわけではありません。レンズ側にAF用のモーターが内蔵されていることが条件になります。
そのため、前述のタムロン18-250mm F3.5-6.3などは、装着はできますが、AFは機能しません。これはかなり致命的です。
そう思っていたら、ダブルズームキット2というのが発表されました。これはAF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G II とAF-S DX Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G(IF)がついていて、55-200mmのほうはレンズ側に手ぶれ補正機能が内蔵されています。この2本がついても実売価格は10万円以下。さらに、これにシグマの30mmF1.4 EX DC HSM(これはレンズ側にAFモーターが内蔵されているのでD40でもAF可能)を加えた3本セットなら最強でしょう。このレンズが4万円弱。合計でも13万円台。これは確かに魅力です。
この組み合わせだと、室内ではシグマの30mm F1.4を使ってノーフラッシュのポートレート撮影。明るい屋外の運動会や動物園などでは手ぶれ補正機能内蔵の純正レンズ55-200mmをつけて望遠撮影という使い分けが可能です。ただし、通常撮影にF3.5-5.6の18-55mmは非力です。室内では暗くて手ぶれしますし、屋外では望遠側がものたりなくなるため、「ほどよい条件の被写体」でないと、ビシッと決まった写真は難しいかもしれません。私なら、通常はもっぱら望遠専用カメラとして使い、屋内撮影ではシグマのF1.4/30mmをつけて、画角が45mm相当の標準レンズカメラとして割り切って使うと思います。

ペンタックスとSONYはマウント事情で選ぶ

しかし、手ぶれ補正機能はあくまでもボディ側についていたほうが、あらゆるレンズに対して有効なので、圧倒的に有利です。2007年7月現在、ボディ側に手ぶれ補正機能が内蔵されているデジタル一眼レフカメラはペンタックスかSONY(あるいはフォーサーズまで選択肢を広げればオリンパスも)になりますが、すでにペンタックスかミノルタマウントの使えそうなレンズを複数お持ちであれば、迷わずペンタックスのKシリーズかSONYのα100を買えばいいでしょう。
問題は、NikonやCanonのレンズをお持ちの場合、ペンタックスやSONYに乗り換える意味があるのか。あるいは、レンズはゼロから揃えるというかたが、どういう組み合わせで買うか、ということになると思います。

NikonやCanonのフィルムカメラ用レンズをすでにお持ちの場合、それらのレンズの仕様をよくチェックしましょう。35mmフィルムカメラ用レンズは、一般のデジタル一眼につけた場合、画角が1.5〜1.6倍相当に変化します(正確にはその分だけ本来写っているはずの映像の周囲が切り取られます)。
また、Nikon D40の場合は、35mmフィルムカメラ用レンズではAFが使えなくなることもご注意ください。
フィルムカメラ用レンズで、デジタル一眼レフカメラにつけても魅力があるのは、明るいレンズ(例えばF1.4/50mm、F1.8/85mmなど)でしょう。これらは望遠側にシフトした感覚で使えます。
広角用の単焦点レンズをデジタル一眼レフカメラで標準レンズ的に使うのは、いろいろ無理が生じます。むしろ、シグマの30mm/F1.4をつけたほうがいいでしょう。
35mmフィルムカメラ用の35-70mm/F3.5-5.6などの標準ズームは、デジタル一眼レフカメラにつけると画角的には52-115mmくらいになり、広角が使えないので無視したほうがいいです。もともと暗いレンズですし。
デジタル一眼レフカメラ専用のレンズでも、標準ズーム域ではキット販売のF3.5-5.6ではなく、せめて全域F2.8程度の明るさを確保しておきたいものです。その場合、純正レンズは高価なので、タムロンかシグマの全域F2.8、18-50mm程度のズームをお勧めします。
これらの組み合わせで、予算に合わせて考えていけば間違いは少ないと思います。
なお、望遠側が250mmまで伸びているタムロンの18-250mm F3.5-5.6というレンズは明るい屋外では非常に威力を発揮します、ペンタックス用、SONY用マウントのレンズもようやく出ました。このレンズはボディ側に手ぶれ補正機能がないとかなり厳しいので、本来、Nikon用やCanon用より、ペンタックス、SONY向きのレンズです。

SONY α100 DSLR-A100H 高倍率ズームレンズキットとの組み合わせ例

18-200mm F3.5-6.3が最初からついているわけです。このキットが9万7500円(2007年7月、価格コム調べ)
これに暗いところでの撮影用にシグマ30mm F1.4 EX/DCを追加します。これが実売価格3万8400円。
合計13万5900円
シグマ30mm F1.4 EX/DC
単焦点標準レンズ。F1.4の明るさを持つデジタル一眼専用レンズは稀少(というか、現時点ではおそらく唯一の存在)。フォーサーズも含めて全社マウント用あり。HSM搭載モデルは、ボディにAF用モーターを内蔵していないNikon D40でもAFが可能。φ76.6mm x 59mm。430g。実売価格は4万円弱。

SONY α100 ボディ単体をベースにして常用域重視の例

ボディ本体が6万6000円。これにタムロンSP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16) 3万5200円を組み合わせます。全域F2.8ですから、純正レンズキットより、暗い場所で威力を発揮します。
純正の高倍率ズームキット(9万7500円)より高くなりますが、室内撮影が多い人にはレンズの明るさ重視でこちらのほうがいいでしょう。
合計10万1200円
後から屋外望遠用にタムロンの18-250mm F3.5-6.3(4万6600円)を買い足せば、さらに強力。合計で14万7800円。純正の高倍率ズームキットより、さらに望遠側が伸びた環境を手に入れられます。
タムロン タムロンSP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16)
全域F2.8のデジタル一眼専用ズームレンズ。最短撮影距離28cm。φ73.8mm×83.2mm。445g。実売価格4万円前後。

ペンタックスK100Dをベースにした例

ボディ本体が4万9800円。これに、楽しみ重視で、タムロンの18-250mmという超広域ズーム(4万7300円)を組み合わせます。
合計9万7100円
タムロン18-250mmタムロン AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro (Model A18)
長さ84.3mm、430g。他社には今のところ真似できていない超高域ズーム。

明るさ重視で行くなら、シグマの18-50mm、全域F2.8(4万5300円)という組み合わせにします。
合計9万5100円
シグマ18-50mm F2.8 EX DC MACRO
全域でF2.8の明るさ。最短撮影距離28cm。φ74.1mm x 84.1mm。重量445g。全社マウント用あり。
最初に18-250mmを買ったなら、後から室内用にシグマの30mm/F1.4を買い足すという手もあります。

上と同じことをCanonでやれば……の例

CanonのEOS Kiss Digital N がかなり安くなったので、それをベースにした組み合わせ例も紹介しておきましょう。
本体5万1000円。これにシグマの18-200mm F3.5-6.3 DC OS(6万0500円)を組み合わせます。このレンズには手ぶれ補正機能が内蔵されています。
合計11万1500円
Canonのレンズを他に持っているかたなどにはお勧めです。
この組み合わせでも、後からシグマの30mm/F1.4などを買い足せば、かなりいろいろな条件下で撮れるようになります。
シグマ18-200mm OS シグマ 18-200mm F3.5-6.3 DC OS
シグマの従来型18-200mmに手ぶれ補正機能を内蔵させたレンズ。これだけ望遠側が伸びているズームだと、CanonやNikonなどの手ぶれ補正なしのカメラで使うと必ず手ぶれ写真の量産になるので、手ぶれ補正機能が内蔵されていることは大変ありがたい。



目次へガバサク談義トップへ  次へフォーサーズ機とは?  次へK100D+シグマレンズの購入まとめはこちら

stドメインの取得はこちら   ★タヌパック音楽館は、こちら
★文藝ネットは、こちら
★狛犬ネットは、こちら
  takuki.comのHOMEへ
(takuki.com のHOMEへ)


リンク