たくき よしみつ の 鐸木能光のデジカメ・ガバサク談義 デジタルストレス王

デジタル一眼レフカメラ お勧めの買い方(2008年10月編)

D40の価格破壊は凄まじい

D40 デジタル一眼レフを買っても手ぶれ写真の量産になる人がたくさんいます。
デジタル一眼レフカメラ用の標準キットレンズは18-50mm/F3.5-5.6というスペックが多いのですが、これだと望遠側が物足りないだけでなく、室内ではフラッシュなしでの撮影が困難です。頑張ってロングシャッターを切ったとしても、手ぶれ補正機能がない場合、ぶれるのは必至。
また、タムロンが18-250mm(35mmフィルム換算で画角は28-375mm相当)という広域ズームを出しました。シグマやメーカー純正でも、18-200mmが出ています。
このタムロン18-250mmは、発売当初、Pentax用やSONY用が出ていなかったため、CanonやNikonの手ぶれ補整機能なしボディと組み合わせるしかなかったのですが、最望遠側ではどう頑張っても手持ちではぶれます。改めてボディ側に手ぶれ補正機能が内蔵されていることの重要性を確認させられました。
そうした理由から、私は今なお、手ぶれ補正機能内蔵の一眼レフ(現状ではSONYかPentax)+明るい社外製レンズ(タムロン、シグマ)の組み合わせを推奨しています。

しかし、2007年に、状況に変化が出ました。
ひとつは、NikonがD40という驚異的に安いデジタル一眼レフカメラを発表したこと。標準ズームがついたキットが5万円強という、高級コンパクトデジカメより安い価格で売りだしました。2008年10月現在では、3万円台にまで下がっています。3万円台といえば、コンパクト機並みの値段です。
D40は基本性能は問題ないのですが、ボディ内に手ぶれ補正機能がないことに加え、ボディ側にオートフォーカス用のモーターを内蔵していないため、他のNikonのデジタル一眼レフカメラのように、Nikonマウントのレンズが広くAF対応で使えるわけではありません。レンズ側にAF用のモーターが内蔵されていることが条件になります。
そのため、前述のタムロン18-250mm F3.5-6.3(旧型)などは、装着はできますが、AFは機能しません(その後、モーター内蔵、手ぶれ補正機構内蔵の新型レンズ 18-270mm F3.5-6.3が出ました)。
そこで、D40を買う場合は、ダブルズームキットIIで買う人が多いと思います。
これはAF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G II とAF-S DX Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G(IF)がついていて、55-200mmのほうはレンズ側に手ぶれ補正機能が内蔵されています。この2本がついても実売価格は5万円台(2008年10月現在)。さらに、これにシグマの30mmF1.4 EX DC HSM(これはレンズ側にAFモーターが内蔵されているのでD40でもAF可能)を加えた3本セットなら最強でしょう。このレンズが4万円弱。合計でも7万円台。これは大いに魅力です。
この組み合わせだと、室内ではシグマの30mm F1.4を使ってノーフラッシュのポートレート撮影。明るい屋外の運動会や動物園などでは手ぶれ補正機能内蔵の純正レンズ55-200mmをつけて望遠撮影という使い分けが可能です。ただし、通常撮影にF3.5-5.6の18-55mmは非力です。室内では暗くて手ぶれしますし、屋外では望遠側がものたりなくなるため、「ほどよい条件の被写体」でないと、ビシッと決まった写真は難しいかもしれません。私なら、通常はもっぱら望遠専用カメラとして使い、屋内撮影ではシグマのF1.4/30mmをつけて、画角が45mm相当の標準レンズカメラとして割り切って使うと思います。
以上、D40+レンズ3本でも合計8万円弱。極めてコストパフォーマンスの高い組み合わせとしてお勧めです。
また、タムロンから、AFモーター内蔵、手ぶれ補正機構内蔵で18-270mm/F3.5-6.3という、待ちに待ったニコン用レンズが出ました。
AF18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical [IF] MACRO (Model B003)
実売最安価格は6万円弱。
ボディ単体とこのレンズの組み合わせからスタートしてもいいのではないでしょうか。

D40ダブルズームキットIIの購入例

D40ダブルズームキットII 5万4300円+シグマの30mmF1.4 EX DC HSM(4万円)
合計9万4300円

D40ボディ単体+タムロンの広域ズームの購入例

D40ボディ単体 3万4300円+タムロンAF18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical [IF] MACRO (Model B003)約6万円
合計9万4300円
後からシグマのF1.4/30mm(4万円弱)を加えると、合計13万4300円。

PentaxとSONYはマウント事情で選ぶ

しかし、手ぶれ補正機能はあくまでもボディ側についていたほうが、あらゆるレンズに対して有効なので、圧倒的に有利です。2007年7月現在、ボディ側に手ぶれ補正機能が内蔵されているデジタル一眼レフカメラはPentaxかSONY(あるいはフォーサーズまで選択肢を広げればオリンパスも)になりますが、すでにPentaxかミノルタマウントの使えそうなレンズを複数お持ちであれば、迷わずPentaxのKシリーズかSONYのαシリーズを買えばいいでしょう。
問題は、NikonやCanonのレンズをお持ちの場合、PentaxやSONYに乗り換える意味があるのか。あるいは、レンズはゼロから揃えるというかたが、どういう組み合わせで買うか、ということになると思います。

NikonやCanonのフィルムカメラ用レンズをすでにお持ちの場合、それらのレンズの仕様をよくチェックしましょう。35mmフィルムカメラ用レンズは、一般のデジタル一眼につけた場合、画角が1.5〜1.6倍相当に変化します(正確にはその分だけ本来写っているはずの映像の周囲が切り取られます)。
また、Nikon D40の場合は、35mmフィルムカメラ用レンズではAFが使えなくなることもご注意ください。
フィルムカメラ用レンズで、デジタル一眼レフカメラにつけても魅力があるのは、明るいレンズ(例えばF1.4/50mm、F1.8/85mmなど)でしょう。これらは望遠側にシフトした感覚で使えます。
広角用の単焦点レンズをデジタル一眼レフカメラで標準レンズ的に使うのは、いろいろ無理が生じます。むしろ、シグマの30mm/F1.4をつけたほうがいいでしょう。
35mmフィルムカメラ用の35-70mm/F3.5-5.6などの標準ズームは、デジタル一眼レフカメラにつけると画角的には52-115mmくらいになり、広角が使えないので無視したほうがいいです。もともと暗いレンズですし。
結論としては、デジタル一眼に流用できるフィルムカメラ用レンズは、明るい単焦点レンズに限る、ということです。
デジタル一眼レフカメラ専用のレンズであっても、標準ズーム域ではキット販売のF3.5-5.6ではなく、せめて全域F2.8程度の明るさを確保しておきたいものです。その場合、純正レンズは高価なので、タムロンかシグマの全域F2.8、18-50mm程度のズームをお勧めします。
これらの組み合わせで、予算に合わせて考えていけば間違いは少ないと思います。
なお、望遠側が250mmまで伸びているタムロンの18-250mm F3.5-5.6というレンズは明るい屋外では非常に威力を発揮します、Pentax用、SONY用マウントのレンズもあります。このレンズはボディ側に手ぶれ補正機能が内蔵されていないとかなり厳しいので、本来、Nikon用やCanon用より、Pentax、SONY向きのレンズです。

SONY α300 との組み合わせ例

液晶モニターがチルトするα300はSONYの中でもっともお勧めの機種です。
ボディ単体が5万円弱。常用レンズとしてタムロンの18-250mm/F3.5-6.3をつけるとプラス約45000円で、合計95000円。予算があれば、これに暗いところでの撮影用としてシグマ30mm F1.4 EX/DCを追加します。これが実売価格4万円弱。(以上、08年10月価格コム調べ)
合計13万5000円弱
シグマ30mm F1.4 EX/DC
単焦点標準レンズ。F1.4の明るさを持つデジタル一眼専用レンズは稀少(というか、現時点ではおそらく唯一の存在)。フォーサーズも含めて全社マウント用あり。HSM搭載モデルは、ボディにAF用モーターを内蔵していないNikon D40でもAFが可能。φ76.6mm x 59mm。430g。実売価格は4万円弱。

SONY α300 ボディ単体をベースにして常用域重視の例

ボディ本体が5万円弱。これにタムロンSP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16) (実売最安価格3万5000円強)を組み合わせます。全域F2.8ですから、純正レンズキットより、暗い場所で威力を発揮します。
純正のズームキット(約5万4000円)より3万円強ほど高くなりますが、室内撮影が多い人にはレンズの明るさ重視でこちらのほうがいいでしょう。
合計約8万5000円
後から屋外望遠用にタムロンの18-250mm F3.5-6.3(約4万3000円)を買い足せば、さらに強力。
タムロン タムロンSP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16)
全域F2.8のデジタル一眼専用ズームレンズ。最短撮影距離28cm。φ73.8mm×83.2mm。445g。実売価格4万円前後。

PentaxK100Dをベースにした例

すでに生産中止の製品ですが、08年10月現在、まだ店頭在庫分があるようで、3万円強で投げ売りしています。
これに、楽しみ重視で、タムロンの18-250mmという超広域ズーム(4万7300円)を組み合わせます。
合計9万7100円
タムロン18-250mmタムロン AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro (Model A18)
長さ84.3mm、430g。他社には今のところ真似できていない超高域ズーム。

明るさ重視で行くなら、シグマの18-50mm、全域F2.8(4万5300円)という組み合わせにします。
合計9万5100円
シグマ18-50mm F2.8 EX DC MACRO
全域でF2.8の明るさ。最短撮影距離28cm。φ74.1mm x 84.1mm。重量445g。全社マウント用あり。
最初に18-250mmを買ったなら、後から室内用にシグマの30mm/F1.4を買い足すという手もあります。

上と同じことをCanonでやれば……の例

CanonのEOS Kiss シリーズの最安値ボディ(FやXなど)と、タムロンのAF18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical [IF] MACRO (Model B003)を組み合わせるという手がありますが、レンズが6万円弱するので、どうしても10万円は超えるでしょう。
キヤノンの最安モデルはレンズキットで買っても本体のみで買っても1000円くらいしか違わないことがあるので、レンズキットで買っておいたほうが得だと思います。使わないと分かったらヤフオクでレンズを売れば実質購入価格を下げることもできます。
EOS Kiss F レンズキット 4万8000円+タムロンAF18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical [IF] MACRO (Model B003)6万円。 合計10万8000円
EOS Kiss F レンズキット 4万8000円+シグマAF18-200mm F/3.5-6.3 DC OS 約4万3000円。 合計9万1000円 Canonのレンズを他に持っているかたなどにはお勧めです。
この組み合わせでも、後からシグマの30mm/F1.4などを買い足せば、かなりいろいろな条件下で撮れるようになります。
シグマ18-200mm OS シグマ 18-200mm F3.5-6.3 DC OS
シグマの従来型18-200mmに手ぶれ補正機能を内蔵させたレンズ。タムロンの18-270mmが出たためか、実売が4万円台に落ちているので、予算がない場合はこのレンズも魅力的な選択肢。これだけ望遠側が伸びているズームだと、CanonやNikonなどの手ぶれ補正なしのカメラで使うと必ず手ぶれ写真の量産になるので、手ぶれ補正機能が内蔵されていることは大変ありがたい。
(2008/10/24 updated)
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