フォーサーズ機を考える
E-510を買って幸せな人と不幸せな人

よく、デジタル一眼レフカメラのカタログ記事で、フォーサーズ機とAPS-Cサイズ機を一緒くたに紹介しているのを見ますが、あれでは初心者はどちらも同じ「デジタル一眼レフカメラ」と勘違いしてしまうでしょう。
フォーサーズ機は、オリンパスが提唱しているデジタル一眼レフカメラの統一規格ですが、現時点ではオリンパス以外ではパナソニックのL1くらいしか出ていません。
他のほとんどのメーカー(Canon、Nikon、SONY、Pentax……)が出しているのは、APS-Cサイズといって、撮像素子の大きさがASPフィルム一コマとほぼ同じサイズのカメラです(他に、CanonやContaxなどから、「フルサイズ」モデルといって、35mmフィルムのフルサイズ1コマと同じ面積の撮像素子を持つデジタル一眼レフカメラが出ていますが、極めて高価なので、ここでは論じません)。
デジタル一眼レフカメラが登場したときは、まだ専用のレンズが少なく、35mmフィルムカメラ用のレンズを流用することが多かったのですが、最近ではAPS-Cサイズの撮像素子用に作られたデジタル一眼レフカメラ専用レンズが増えてきたので、現状ではAPS-Cかフォーサーズかという選択肢になったと言えるでしょう。
主な違いは撮像素子の大きさです。
APS-Cサイズの撮像素子は、メーカーや機種によって多少のばらつきがありますが、概ね23mm×17mm程度です。
これに対して、フォーサーズの撮像素子は17.3mm×13.0mmで、APS-Cサイズに比べると半分強の面積しかありません。
| 撮像素子種類 | 面積比較 | サイズ(mm) | 搭載機種例 | 解説 |
| APS-Cサイズ |  | 23.4×16.7mmに近いサイズ | Canon、Nikon、Pentax、SONYのほとんどのデジタル一眼 | モデルやメーカーによりサイズはまちまち。Nikon D80は23.7×15.6mm、Canon EOS Kiss DigitalXは22.2×14.8mm |
| フォーサーズ |  | 17.3×13.0mm | Olympusのデジタル一眼レフカメラ、Panasonic L1など | オリンパスが提唱しているデジカメ一眼レフの「共通」規格。パナソニックも参加 |
問題はレンズ資産とボケ具合
撮像素子面積が約半分だと、具体的にどんな差が出てくるでしょうか。まず、欠点としては、
- 面積が小さいので、解像度は当然不利
- レンズの焦点距離は必然的に短くなる
- 結果として、背景をぼかしにくい
ということになります。画角的には、APS-Cサイズのデジカメは、35mmフィルム換算で約1.5倍の画角になるのに対して、フォーサーズでは約2倍になります。
例えば、シグマの18-50mm F2.8 EX DC というレンズは、Nikon用、Pentax用、Canon用、SONY用だけでなく、フォーサーズ用も出ています。しかし、このレンズをNikonにつけた場合、画角は35mmフィルム換算で約27-75mmになりますが、フォーサーズ用は2倍するわけですから、36-100mmになり、望遠側が若干伸びる代わり、広角は撮れないわけです。
フォーサーズ用のレンズは、オリンパス純正(ズイコーブランド)以外ではあまり存在しません。ライカブランドでも出ていたりしますが、相当高価です。従って、レンズを揃えていく上で、現時点ではかなり不利です。
また、レンズの焦点距離が短いということは、背景がぼけにくいということです。35mmフィルム換算で50mm程度の画角で撮った場合、実際の焦点距離は25mmですから、被写界深度はかなり深くなります。これは、ポートレート撮影などではかなり不利です。
フォーサーズの利点
こうしたことから、フォーサーズ機は他のデジタル一眼レフカメラとは「別のカメラ」として捉える必要があります。私自身は、自分で使うことはあまり考えていませんでした。最大の理由は価格が高いこと。次がレンズが限られること、背景がぼけにくいこと、です。
しかし、E-510が出て、少し考えが変わりました。撮像素子面積が小さいことに起因する弱点を補ってあまりある長所も見いだせるからです。
- コンパクトである
- モニターがライブビュー可能なので、撮影姿勢の自由度が高い
- レンズは完全な専用設計なので精度などが信頼できる
しかも、E-510にはボディ側に手ぶれ補正機能が搭載されています。
レンズ一体型デジカメでは物足りない、でも、デジタル一眼レフカメラは重すぎると考えている人には、かなり魅力的なカメラでしょう。
現状で選べるレンズはこの4本か?
問題はレンズです。もとからボディが高価(2007年9月時点で86800円が最低価格=K100Dが2台買える!)なので、素性のよいレンズを揃えると相当な金額(合わせて15万円は覚悟)になります。
現時点でアマチュアが便利に使えそうなのは、こんなところでしょうか
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35mmフィルム換算で28-108mmの使いやすいズーム。明るさもセット販売のものよりは一段明るい。実売価格5万円強
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35mmフィルム換算で80-300mmの望遠ズーム。野外の撮影ではかなり威力を発揮しそう。実売価格2万円台半ば
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単焦点標準レンズ。F1.4の明るさを持つデジタル一眼専用レンズはおそらくこれだけ。他社カメラでは35mmフィルム換算で45mm前後の画角になるが、フォーサーズ機では60mmの中望遠に近い画角に。室内ポートレートでは絶対的な威力を発揮。φ76.6mm x 59mm。430g。実売価格は4万円弱。
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全域でF2.8の明るさ。最短撮影距離28cm。φ74.1mm x 84.1mm。重量445g。全社マウント用あり。実売価格は5万円台半ば
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★ズイコーのレンズは最初からフォーサーズ用に設計されていますが、シグマのレンズは、もともとAPS-C用に設計したレンズのマウントのみをフォーサーズ用にしただけですから、本来の撮影範囲を切り取る形での使用となります。35mmフィルムカメラ用レンズをAPS-Cサイズデジカメに使うのと同じようなことです。
むしろE-330の後継機種に期待!
E-510はレンズ込みで考えると、PentaxのK100DやSONYのα100に比べて相当割高になります。また、背景をぼかしたい撮影では不利ということも知っておかなければなりません。
しかし、それよりもライブビューモニターによる自由度(どうせならバリアングルモニターにしてくれれば……すぐ買うんですけどね)やコンパクトさを重視したい人には魅力的なモデルでしょう。
私は今はまだ買いません。E-330の後継機種が手ぶれ補正機能内蔵で出たら、買ってしまうかもしれません。つまり、ライブビュー&可動式モニター&手ぶれ補正の一眼レフ。それが出たときは、メインマシンとして、多少高くても手を出してしまうと思います。E-340ですかね、型番は。まだ見ぬE-340に期待しています。