SONY NEX-5R の実写テスト (その2)
癖を見抜くまで少し時間が必要か?
NEX-5R+SONY 16-50mm/F3.5-5.6 OSS 50mm
XZ-10 23.5mm、F2.7
赤味をどうするかに関して、ソニーは昔から紫が青くなるのは諦めている感じ、XZ-10は逆に赤を強調しすぎていて周りまで赤くなる感じです。この写真はよく分かりますね↑
この比較では、XZ-10の写真のほうがはるかに実物に近い色です。NEXは青が強くなりすぎて、紫色系統のものはことごとく色味が変わってしまいます。
ただ、実際の色を忘れてしまってこの写真の比較だけ見れば、NEXのほうがきれいだな、と思えるでしょうが。
草むらの中のショウミョウバッタ XZ-10 はすぐに見つけてAFを合わせてくれる
NEXはまず無理。どう頑張ってもバッタを見つけてくれない↑
NEX-5R+SONY 50mm/F1.8 OSS 41mm
仕方ないのでDMFで手動でピントを合わせてからAFでもう一度合わせる↑
NEX-5R+SONY 50mm/F1.8 OSS 50mm×デジタル1.69倍
一度マニュアルで合わせると、ああ、これが撮りたいのね、とカメラが理解してくれるのか、そのままAFがしばらくはそのへんを記憶していてくれます。このときも、さらにデジタルズームで拡大しても見失ないませんでした。
NEX-5Rは面白いことに、キットのズームレンズだと本体内のデジタルズーム機能はOFFになって設定できない(「このレンズではできません」といわれる)。ところが、単焦点レンズをつけると本体内でのデジタルズームを設定できる。デジタルズームを有効にして、さらに超高解像なんだらというのにすると、4倍まで引っ張ります。ですから、この50mm単焦点レンズ(75mm相当)だと、300mm相当まで拡大しながら撮影できるわけです。もちろん、デジタルズームなのでインチキなのですが……。
このデジタルズーム設定機能をカメラ裏面下の「ソフトボタン」に割り付けておくと、単焦点レンズでもボタンを押すとデジタルズームができるようになるので、単焦点レンズをズームレンズ感覚で使うことが可能です。邪道かもしれませんが、そこそこいけます。
NEX-5R+SONY 50mm/F1.8 OSS
1/80秒、F4 普通に撮る
上の状態でデジタルズームに切り替え、1.56倍にズームアップして撮影↑
デジタルズームを使わず、元の写真を後でトリミングして拡大↑
デジタルズームで撮っても、後からトリミングして拡大しても、ほとんど変わらないですね。原理は同じなのであたりまえなのですが。
であれば、撮っているときにズームしたほうが気分が出るというメリットはあります。しかし、後からトリミングしたほうが構図をしっかり作り直せるというメリットもあります。
いずれにせよ、このCMOSのクオリティが高いので、こうしたデジタル処理でも十分きれいではありますね。
私はこの使い方を覚えたので、今後は常用レンズとして50mm/F1.8をつけっぱなしにして撮るだろうという予感が今あります。広角がほしいときは一緒に持ち歩いているXZ-10で撮ればいいし……。
では、次に室内の暗い場所での撮影。明るいレンズのXZ-10との比較をしてみます。
NEX-5R+SONY 16-50mm/F3.5-5.6 OSS
1/50秒、F5.6、ISO 3200、-1/3補正、35mm(52 mm相当)
1/50秒、F2.5、ISO 800、12.10 mm(67mm相当)
さすがに開放でF5.6のNEX-5R+SONY 16-50mm/F3.5-5.6 OSSではISOが3200まで上がってしまいかなり画質は厳しくなりますが、それでも普通に見られる写真ですね。
XZ-10はISO800でF2.5でいけますが、CMOSの小ささから、階調が浅く、のぺっとした写真になっています。
標準ズームだと室内撮影はかなり厳しいときがあることは覚悟しなければいけませんが、それでもAPS-CサイズCMOSがものをいい、ISO3200くらいでもひどい荒れはない、というところでしょう。おそらく撮像素子が小さなミラーレスではこうはいかないはずです。
もう少し並べてみます。
NEX-5R+SONY 16-50mm/F3.5-5.6 OSS
1/60秒、F 4、ISO 1600、-1/3補正、18.00 mm(27 mm相当)
上の写真をIrfanViewで一発補正
XZ-10
1/30秒、F1.8、ISO 200、4.70 mm(26 mm相当)
NEX-5R+SONY 16-50mm/F3.5-5.6 OSS
上の写真をIrfanViewで補整
XZ-10 これも不利にならないようIrfanViewで補整
NEX-5R+SONY 16-50mm/F3.5-5.6 OSS
上の写真をIrfanViewで一発補整
さらに微妙に補整
XZ-10
上の写真をIrfanViewで一発補整
さらに明るく補整
暗い室内では、明るいレンズのXZ-10がかなり健闘しています。NEX-5R+SONY 16-50mm/F3.5-5.6 OSSだとISOを上げるしかないのですが、それでも階調の深さがXZ-10よりあるのはさすが。
画素ピッチに余裕があるので、後から画像処理しても効果が大きいのですね。
XZ-10よりNEXの写真のほうがいじっても壊れないというか、ボロが出ず、ちゃんときれいに補整されてくれるという感じです。
というわけで、撮像素子の大きさに助けられて、暗いズームレンズでもかなり頑張れる屋内撮影、ということですかね。
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