◆日記 01/02/14




今日の放哉


突破口よりも敷石を一つ

 ゴロは完全復活しています。ご心配をおかけしました。これもみなさまの「念」のおかげでしょう。ゴロになりかわり、お礼申し上げます。
 
 さてさて、21世紀はゴロの看病で幕が開けましたが、一難去ってまた一難。依頼されて書いていた小説がお蔵入りの危機を迎えています。今まで何度もあったことなので、ああ、またか……という感じですが、さすがにこう続くとめげます。
 書いて出ない、書いて出ない……を繰り返しているうちに、書くものもどんどん、今の状況に合わせていくしかなくなります。出せないでいる長編は830枚と640枚。これを書いていた時期は、重厚長大路線が売れていて、600枚程度は「ちょうどいい長さ」と言われていたんですが、たちまちそういうものは売れなくなり、今度は「単価を少しでも安くするために、なるべく短く」と要求されるようになりました。
 で、300枚くらいで書き下ろしを……という話をある出版社から受けたのが昨年末。早くしないとまた出なくなるなぁ、という予感があったので、ひと月で書き下ろしました。内容も、あらゆる条件をクリアするように、出版業界の現状や、ドラマ化映画化のしやすさ、ゲーム性、世相などを計算し尽くして書いたつもりです。しかし、いざ書き上げると、会社の都合が変わったので……と、歯切れの悪い説明。
 どうやっても出ない。中身に関係なく……。う〜〜む。

 去年から考えていた「限定極少部数プレリリース」というのを実行することを考えています。本当に読んでほしい人、読んでくれる人のために百部くらい作って先行配布し、商業出版への道を少しでもつないでおこうという発想です。
 まずは、全編デジタルで公開している『黒い林檎』(640枚)のプレリリース版を作る予定です。その次は、執筆依頼してきた出版社との相談の結果次第ですが、今、校正を進めている350枚のプレリリースを考えています。
 CDはおかげさまで全作黒字ですが、この本は作る前から赤字です。
 別に、高貴な読み物を書いているつもりはさらさらなく、商業出版物を意識して書いているものがこうなってしまうところが哀しい。
 突破口なんて贅沢は考えていません。泥沼の中で孤立している現状から、一歩でも前に進むための敷石一つですね。一歩前に敷石を投げて、そこに立ったところで、周囲の泥沼状況は同じ。モーゼの奇跡を待つしかないかなあ……。


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