◆日記 01/02/25




今日の放哉


16冊目の「処女」出版

 書き下ろしたばかりの新作『鬼族(きぞく)』(360枚)は、案の定、依頼してきた版元から、「事実上出せなくなった」と通告されました。月間出版点数の大幅見直し(15点から6点に)によるものとの説明ですが、依頼されたのは去年の12月です。一月半で脱稿し、すでに原稿を渡してあるのですから、やっていいことと悪いことくらい分別してほしいものです。
 多数の作家に迷惑をかけたからとの理由で複数の編集者が解雇されたそうですが、だからなんなんだ……ですね。
 ということで、『黒い林檎』に続いて、『鬼族』も文藝ネットから100部限定先行発売することにしました。これをもとにして、新たな版元を探します。
 『鬼族』は津軽が舞台になるのですが、現在、方言指導を複数のネイティブスピーカーに依頼して会話部分の校正を進めています。校正を依頼した時点では、まだ出版白紙撤回通告は受けていなかったので、校正者にも迷惑をかけてしまいました。
 また、原稿を渡した時点で、Webとの連動で売っていくという作戦も担当編集者と打ち合わせており、編集者との確認の上、ki-zoku.com と kizoku.org というドメインも取得し、準備していました。まさに、どんどん上に登らされた挙げ句に梯子を全部外された形です。
 CDを自分で全部作るという経験はすでに何年も前からやってきていますが、本を作るのは初めてです。CDに比べて本はコストがかかりすぎるので、やるつもりもまったくありませんでした。
 今回、いろいろ調べてみたのですが、A5版並製本ソフトカバーという形を採用することにしました。文庫サイズだと長編はなかなか収まらないし、DTPの場合、従来の「四六判」というサイズよりは、むしろA5にしたほうが有利だというような理由からです。
 今後も続けていくためには、赤字部分を大きくしないことや、手間を最小限に抑えることも重要ですが、これに関しては、ここ数年でDTPの世界も大きく変わり、楽になりました。
 今回、本文ページ部分にはDTPソフトを使っていません。いつも原稿を書いているQXエディタの印刷機能を使ってB5用紙センターにPDF形式で出力。それをAcrobatで多少修正してそのまま入稿という形です。QXエディタは、段組、ルビ振り、フォント指定、縦中横などに対応しているため、編集が極めて楽です。扉や奥付など、画像を入れるところだけWordを使いました。
 カバー原稿はPhotoshopで下地を作り、それをIllustratorに取り入れて作りましたが、次からはPhotoshopのみで作ろうかと考えています。Illustratorというソフトはあまりにも使いづらいので。
 現物が出来上がってくるまでは不安ですが、うまくいけば、単に原稿を寝かせておくよりも、積極的に露出させる一手段として、続けていくつもりです。


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