◆IBM PS-V Vision 改造日記(1の2)




↑まな板の上のVisionとレスキューキット。

 まずはVisionの背面からビスを3本外して、中身を引っこ抜く。こんな感じになる。

↑Visionの内蔵ユニットはかなりでかい。


↑上に被さっている部分を外すと、マザーボードが現れる。


 マザーボードはこのユニットの底部にあるので、結局はぜーんぶ外さなければならない。そのマザーボードも外す。↓

↑すっかり中身を取り外されたVision。なんか情けない姿。

 

 次に、新しいマザーボードを取り付けて、CPU、メモリ、ライザーカード(拡張ボードの取り付け部分)などを取り付け、外したケーブルをつないでいく。
 問題がいくつか起きた。
 まずはCPUの設定。CYRIXのMX200PRには2種類あるそうで、動作電圧やクロック数が違う。解説書には全然違う設定が書いてあったのでサポートに確認した。
 次に、CPUクーラーの電源。Visionにはまったく予備電源ソケットが残っていなかったので、仕方なく1本ぶった切って半田づけで分岐させた。その際、5vと12vを間違えて、ファンが回らないというミスを犯した。

↑HDDにつながっている電源を切って、分岐させた。改造など考えていない一体型のVisionには、電源ソケットの予備はおろか、2ndIDEバスすらついてない。CD-ROMはSB16接続のもの。IDEケーブルも端子は1つしかついてないという徹底ぶりだ。

↑クーラーとSB16はほとんど接触しそうな状態になっている。これ以上高さのあるクーラーだとつけられない。SB16はISAバスで、この位置にしかつかない。また、このSB16を介してCD-ROMドライブが動いているので、つけないわけにはいかない。
 それが嫌ならば新たにPCIバス仕様のサウンドカードとIDEのCD-ROMドライブを買ってきてとりつけることになるが、そこまでする価値があるかどうか。


 ここまでやってみて、とりあえず動くのかどうか確認。ちゃんと立ち上がり、CD-ROMドライブも認識された。万歳。

↑起動したDOS画面を見てほっとする。ここまでくれば大丈夫。


 あとはCD-ROMからWindows95をセットアップするだけ。
 Windows95のセットアップでは、画面のプロパティで悩んだ。リフレッシュレートを72Hzに固定しないと、800×600ではまともに表示されないのだ。「最適化」でソフト任せにすると何も映らない。そうなるとSAFEモードにして立ち上げなければならないが、SAFEモードではリフレッシュレートの設定ができない(これはS3のドライバを入れて、まともなモードにして初めて表示されるのだ)。それで何度も何度も再起動とセッティングを試す羽目になる。
 でもまあ、これもなんとか無事収まった。


 こうしてVisionはWindows95がサクサク動くマシンになったのだが、ここまでやって改造する意味はあったのだろうか?
 画面は小さいし、微調整もできず、周囲にかなり黒い部分が出る(しかも左右対称でないから気持ち悪い)。
 CD-ROMドライブは2倍速だから、かなり遅い。
 内蔵スピーカーから絶えずノイズが出る。音量をゼロにしても出る。HDDが動く度にジジー、ガガー……。
 それでもCYRIX200を載せたVisionは見違えるような快速マシンになった。フリーセルの画面がびゅんびゅん動く。速度は今使っているノート(Pentium133Mhz、64MB)よりはるかに速いのだが、これで仕事をする気にはなれないなあ。目が疲れるし。
 さて、どうしようかしら、この変なマシン……むむう。結局、高価なプラモデル作りをしてしまった気分である。

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