日記 03/08/16 の5
大地の芸術祭2003探訪 その5
『希望という種子(シュジ)』(依田久仁夫)という石板が4枚点在している山道を下ろうとしたところ、下のほうに黒っぽい人形が見えた。なんだか大地の芸術祭には似つかわしくないようなリアルな人形だなあ、と思いながら、あまり気にも止めず、すぐそばの『希望という種子』なる作品を見ていた。
ところが、さらに下ろうとしたら、その人形がゆっくりと動いているらしいことに気づいた。
げ! 動いているぞ
よく見ると、人形ではなく、人間だ。
超スローモーションで坂道を上ってくる。
な、な、な、なんだ?
これも作品の一部?
それともパントマイミストが勝手に独自公演をしている?
カルト舞踏?
苦行を行う宗教?
女性ですね。年齢不詳だけど、20代~30代。
最初は芸術祭に参加しているパフォーマンスだと思ったけれど、もしかするとなんかの宗教の修行?
ハイカーの邪魔にならぬよう、道の脇を歩いている。しかも裸足!↓
観光客も、最初は人形だと思うので、近くに来て人間だと気づいて一様にぎょっとし、立ちすくむ。
あまりの異様さに、声をかけようとする人もいない。
よく見ると、手には風鈴を持ち、脚は決して伸ばさず、絶えず曲げたままゆっくり上っている。一体、いつから始め、いつ終わろうとしているのか。靴はどこに置いてきたのか? 終わったあとは、急に笑顔になって「ありがとうございましたぁ」とか言って、靴を履いて下山していくのだろうか? いや、それはなさそうだな。
大駱駝館とか白虎社、山海塾の類?
ともかく、今回の「アート」作品の中で、ずば抜けてインパクトの強い「作品」であることは間違いない。特別賞を進呈したい気分。
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