日記 2004/11/06

タヌパック越後の最後 1

2004年11月5日。
十数年かけて育ててきた我がタヌパック越後の最後を見届けるため、川口町に向かった。
我が家のある集落は、崩落した土砂で川がせき止められ、雨が降ると土石流の発生も懸念されている。そのため、晴れた日以外は集落への道が完全に閉鎖されて入れないという連絡が向かいのご主人から届いていた。
天気予報と相談しながら、全国的に高気圧に覆われるというこの日、冬の越後で生活するために去年買った愛車(二人乗りのミニ四駆。34万円也)にブルーシート、ヘルメット、安全靴、革の作業手袋、避難所への差し入れ物資などを積めるだけ積んで現地入りした。
荒れた道
↑集落へ続く道。こんな感じの道が数km続いている。


隆起したマンホール
↑↓テレビでも何度も映し出された、盛り上がったマンホール。川口町のあちこちでこうした光景が。

昨日までは1時間に30mmという大雨だったが、天気予報通り、ちゃんと晴れてくれた。集落への道の通行止めも一時的に解除されていて通過。
しかし、いきなりこういう道が出迎え。何度も通り、走り慣れている道だが、緊張しながら車を進める。
集落に近づくにつれ、道の荒れがひどくなる。完全に片側一車線分が崩落し、小型車両がようやく通り抜けられるだけの幅しか残っていない場所もある。
車窓から見える家並みは一見普通だが、よく見ると土台が崩れていたり全体に傾いていたり、中の窓や障子がぐちゃぐちゃだったりしている。当然、誰もこの集落には残っていない↓
集落の家並み
我がタヌパック越後が、もう使い物にならないほど崩壊していることはすでに教えられていたので、覚悟していたが、実際に目にするとやはり呆然。
表から見ると一見なんとか建っているが、裏から見ると完全にひしゃげている。
裏から見たところ
↑別にかっこよく窓を平行四辺形にデザインしてあるわけではない


崩れた裏手の崖
↑崩落した裏手の崖


家の裏手の崖が崩落して、庭のあちこちに亀裂が入っている。その亀裂をまたいで崖の際まで行って崩落した斜面を撮影した↑
裏の壁面は、見事に壁全体がつながったまま外れていた。ここは何回も上から杉板を打ち付けて補修した場所。補修が効いて、壁そのものはこれだけ丈夫になっていたわけだ。皮肉↓
大きな板が立てかけてあるように見えるが、壁全体が剥がれて落ちたのである。分かるかなぁ。
裏側の外壁は丸ごと外れていた
↑裏の外壁はまるごと外れて落ちた


玄関
↑後になってようやく玄関の戸を撤去し、中を覗いたところ


玄関はアルミの引き戸だが、施錠されたまま2枚の戸がまとめて外れて壊れている。危ないので横手の窓から中を覗いてみた。中はもう見るも無惨なことになっていた。(次ページへ続く

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