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 第88回 SNEC



デジタル小説に未来はあるか

小説をディスプレイで読む……このテーマは簡単には到底語れません。
私自身、印刷物(本)としての文芸の現状と未来に不安・不満・疑問を抱き、今までさまざまな試行錯誤を重ねてきました。
森下一仁さん、佐伯一麦さんらと立ち上げた文藝ネット(http://bungei.net/)もそのひとつですし、VECTORに、高いとは承知しつつもシェアウェアテキストを登録したのもひとつの試みでした。
文芸にとって「本」という形は最上のものでしょう。しかし、本の出版・流通が大きな問題を抱えて病んでいることも事実です。
サウンドノベルズと呼ばれる形態で小説が配布され始めたのは、ファミコンソフトとして発表された『かまいたちの夜』あたりからだと思います。そういう形はアリだと思いますし、現代では小説を読むよりゲームをしたい人が多いことも認めます。
しかし、面白いソフトは本当に少ないと思うのです。
積極的に紹介しようと思って、今までもVECTORに登録されているサウンドノベルズの類をいくつもダウンロードしてみましたが、どれもこれもがっかりさせられました。
言うまでもなく、お話として面白くないものは、どんな形のソフトになろうが面白くないのです。
私自身、自分でゲーム形式の作品を作ってみようと思ったこともありますが、私の技量と情熱で扱えそうな制作ソフトは見あたりませんでした。
このSNECは、そんな私に初めて可能性を感じさせてくれたソフトです。

すべてテキストベースで作業が進む

このソフトのすばらしいところは、自分が愛用しているテキストエディタがそのままゲーム作成機となる、ということです。
HTMLをテキストエディタで作成するのと同じ感覚で、ゲーム形式のさまざまな効果を命令文として埋め込んでいくだけ。例えば、ソフトに同梱されているサンプルスクリプトの一部は、こんな風になっています↓

#
10

/
/
W2深夜の駅構内は閑散としていた。**
/
 今日は、つまらない用事で、
 帰るのがすっかり遅くなってしまった‥‥‥W1
/
 このぶんだと、
 家にたどり着く頃には何時になっているのやら───W1
/
僕は腕時計を眺めて、軽くため息をついた。
*



このW1という記号や10という数字が、文字の見せ方や表示時間など、いろいろな約束事を命令している部分です。
慣れればどんどんタグを挿入する感覚で、脚本と同じ要領で書いていけます。
論より証拠で、ゲーム作りに興味があるかたはぜひ実際に試してみてください。
力作を公開していきながら腕を上げ、将来は大作家……も決して夢ではないでしょう。

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 このソフトのダウンロードはダウンロードサイトはこちらこちらから (現在、多くのフリーソフトが配布終了になっています。似たようなソフトが出ていないか、窓の杜やVECTORのサイトで探してみてください。) 


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