ミラーレスを買うということは、
- 同じAPS-Cサイズ撮像素子を持つ一眼レフより軽量・小型であることを強く望む
- 明るいレンズを搭載したコンパクト機では撮れない背景をぼかしたアート志向写真を撮る
という2つの要求を満たすということだと思います。
であれば、撮像素子が大きくなければ意味がなく、ファインダーがないのでモニターは可動式でなければ撮れる写真が限られてしまう……となれば、2013年秋時点では具体的にはSONYのNEX-5RかフジのX-M1しか選択肢がないのでは?……ということは
すでに書きました。
キットレンズでは暗いので、できれば明るい単焦点レンズも1本、最初からほしい、ということも書きました。
以下は、それを実際にやってみたテスト報告です。
現在、私が「日記用」として常用しているオリンパスのXZ-10との比較です。
XZ-10は、撮像素子は1/2.3型CMOSで、APS-CサイズCMOSを搭載するNEXに比べれば圧倒的に不利です。ただし、レンズは26mm〜130mm相当でF1.8-2.7と明るいので、NEX-5Rの標準ズームキットレンズの16-50mm F3.5-5.6 OSSに比べれば有利です)
その違いは実際のところはどうなのか? ということですね。

NEX-5Rにお勧めの50mm/F1.8をつけたところ

薄さが売りのフジXF1よりも小さなボディ
まず、ボディのデザインは見事です。キットレンズである16-50mmもきれいにフィットします。上の写真は50mm/F1.8の単焦点レンズをつけたところですが、違和感はありません。
価格は、後継機NEX-5Tが出たおかげで少し安くなりました。ダブルズームキット(6万円台くらい)を安売り店から大量購入して、望遠ズームを抜き取り、標準ズームと本体のセットをヤフオクやアマゾンで5万円くらいで売っている人もいます。頭のいいやり方だなと思います。
購入してまず焦ったのは、充電ランプがUSB端子の横にあるため、ぱっと見では充電していないように見えること。すわ、初期不良で電源が入らないのか? と焦りました。
撮り始めてまず嫌だったのは、シャッター音がでかいこと。ミラー内蔵の一眼レフとあまり変わらないです。連写やスイングパノラマなどの連続シャッターを使う撮影ではカシャカシャカシャ……と派手に音を出します。静かなイベント会場での撮影や動物写真などを撮る場合は困りますね。
次に、マクロ撮影時になかなかAFが合わないこと。
XZ-10で簡単にピント合わせしてくれる場面で、NEXは全然AFでは無理で、これはAFを中央重点にしてもダメでした。
ただし、フォーカスモードをDMFというのに設定すると、AFとマニュアルフォーカスが併用できるので、ぐりぐりとフォーカスリングを回して対象物に合わせ、それから再びシャッター半押しでAFにすると迷わず合わせてくれるのでそこでシャッターを切る……という面倒なことをすれば対応はできます。
あとは、ソニーのカメラは昔からそうなのですが、紫色が全然再現できません。赤味がなく、紺色になってしまうのです。実際の色に近づけるためにホワイトバランス調整で赤を強めると、紫はそれっぽくなりますが、他の色が全部赤に寄ってしまってダメ。デジカメの宿命なのでしょうか。
メニューの呼び出しは癖があり、理解するまでに少し手こずります。
いきなり「困ったな」と思ったのはそのくらいでしょうか。
次のページからはいよいよXZ-10と比較しながら、このカメラの存在価値を検証してみます。