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幸せビンボー術 29

大人になってから無理なく始める楽器

練習が続かない人にお勧めの楽器

ピアノ、ギター、サックス……若いときに楽器を演奏することに憧れたけれど、結局できないまま歳だけ取ってしまった……という人は多いと思います。元気だった若いときにさえ投げ出してしまったのだから、今さら……と思うでしょうが、同じように挫折を繰り返した怠け者の私でも、なんとかものになった楽器が2つあります。その2つをご紹介します。

大人になってから始めるギターは細身のエレガットがお勧め



若い頃にちょっとやったまま忘れていたギターを熟年になってからもう一度やってみよう、という人には、押さえやすく、音も柔らかい、ナイロン弦の薄型ボディ、細ネックモデルの「エレガット」(エレクトリック・ガットギター)をお勧めします。
多くの人はMartinやGibsonに代表される、鉄弦のいわゆる「アコギ」(私たち世代では「フォークギター」などと呼んでいました)がギターの代表だと思っていますが、鉄弦のアコギは体育会系の楽器です。弦を押さえるのも力がいりますし、指が痛くなります。生爪で弾こうとするとすぐに爪が飛びます。ピックで弾くと、結局ストローク奏法(ガチャガチャと上下に動かしてコードをかき鳴らす奏法)で終わってしまい、そこから進歩しない人が多くなります。

ナイロン弦であれば、弦を抑える力も弱くて済みますし、生爪で細やかなタッチが表現できます。音も柔らかい音からバチっとしたメリハリのある音まで幅広く出せます。
しかし、ネックの幅が広く、厚胴のクラシックギターは、フォークギターよりネックが太く広いので、左手で弦を押さえるのが難しく、その段階で「無理~」となる人が続出します。
……というわけで、以上の困難な点をすべて軽減した、薄胴、細身ネックのエレクトリック・ガットギター(エレガット)をお勧めするわけです。(ちなみに「ガット」というのはテニスラケットの「ガット」と同じで、羊の腸のこと。昔はラケットのストリングもギターの弦も羊の腸で作られていました。)

私は20代前半までは鉄弦のアコギを中心に弾いていましたが、しばらく弾かずにいるとたちまち左手の指がやわになり、コードが押さえられなくなってしまいました。そうなるとますます弾かなくなり、完全にやめてしまいました。
37歳のとき、もう一度ギターを初心に戻ってやってみようと思ったきっかけは、テレビでリー・リトナーが薄型ボディのナイロン弦エレキギターを演奏しているのを見たことでした。これなら指が痛くならずに弾けるんじゃないか……と。
そこで楽器屋で捜してみると、リトナーが弾いていたギブソンのナイロン弦エレキギターはソリッドボディ(ボディに空洞がなく、樹脂の塊)でずしりと重く、値段も30万円以上もして、まったく想定外のものだと分かりました。しかし、似たような形で、Ariaから数万円のエレガットギターが出ていて、それは軽くて生音も出たので、それを買ってきました。
その後はもっぱら薄型のエレガット一筋で、このタイプのギターを一時期は10本近く所有していました。(今は断捨離して、5本くらい)。

エレクトリック・ガットというくらいで、ピックアップがついていてアンプにつなげられますが、生音でも十分にいい音がする楽器を選びましょう。生音がショボすぎると練習する気力がわきません。
あまりにも安いモデルはボディの板がすべて合板ですが、少しお金を出すと、トップ(表板)が単板(ベニアではない板)のものが買えます。
ギターは、かつては店頭で試奏して確かめることが必須でしたが、製造技術の向上が著しく、今では中国製、韓国製の安い製品でも、「ハズレ」にあたることはほとんどありませんので、Amazonでポチしても問題ありません。
中でもIbanezのGA30TCEシリーズは3万円台の安価でありながら作りがしっかりしており、弾きやすさも抜群で一推しです。
↑Ibanezの1つ前のモデルGA37STCEの生音。現在はGA30TCEというモデルのみになっているようです。
AriaのA-35CEはさらに安く出ていることもあります↓。

さらにお手頃なAriaのエレクトリックガットギター。ハードケースもついて3万円ちょい。ネック幅はナット側で48mm。クラシックギターと同じ12フレット継ぎなので、アイバニーズのGA30に比べると弾きやすさは劣るかもしれないが、クラシックギターに慣れている人ならこちらのほうが自然に感じるはず


↑これもエレガットですが、完全に生音で録音してみました。左側のギターはAriaのいちばん安い昔のモデルをライン録音してます


それでもギターはハードルが高いというかたは、ウクレレという手もあります。これなら80歳からでも大丈夫。「ネコと学ぼうウクレレ教室」は⇒こちら

軟弱者でもすぐに音が出せるEWI-SOLOは夢のような楽器

……こんなかたにぜひ知ってほしい楽器が「EWI(イーウィ)」というウィンドシンセサイザーです。
私は57歳6か月でこの楽器(EWI4000S)を初めて手にして、1か月後にはバリバリの現役ジャズメンとセッションをするという無謀なことをしていました。
↑このヴァイオリンとチェロはEWIで演奏しています

私は過去に、サックスはもちろんのこと、EWIと同じウィンドシンセサイザーであるYAMAHAのWX5にさえ数日で挫折しています。
カシオのデジタルホーンも少しやってみたことがありますが、電池が液漏れして壊れてからはゴミになってしまいました(製造も中止されたし、そもそも玩具みたいで人前で吹くにはかっこ悪すぎたし……)。
そんな私が、EWIだけは今もなんとか続いていて、おそらく死ぬまでこの楽器とつき合うだろうと思っています。

中でもお勧めするのはEWI-SOLOというモデルです。
EWIでは初めてスピーカーを内蔵し、それだけで簡単に音が出せるようになりました。
2020年秋に登場するなり、たちまち売り切れてしまい、再入荷が始まったのは2021年5月という、メーカーも予想していなかった人気ぶりも頷けます。
音量が小さいという人がいますが、ローランドのエアロフォンのような玩具っぽい音ではなく、それなりにまとまっています。超低音でも音が割れたりすることがなく、音源によっては腹に響くような低音でも音割れしません。
大きな音を出したいときはバッテリー駆動のBluetoothスピーカーなどにつなげば、生のSAX並みの迫力ある音も出せます。

EWI-solo

EWIについては、EWI初心者講座を無料公開している ewifan.com をぜひ覗いてみてください。


コロナが教えた「新しい生き方」のヒントがここに?

カエルやらカタカムナやら…… 森水学園第三分校

森水学園第三分校

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