えち ふゆ にっ

白くなる朝


98/11/20 昨日の雨は、朝起きるとやはり雪に変わっていた。

   
 まだ雪が重く、つもりかたは緩やかで、車は埋まっていない。雪の落下速度が次第に遅くなってきたときが怖い。
二階の仕事場があまりに寒いので、居間にあったテーブルを台所に持ち込み、パソコンを置いた。台所は7畳半。この家でいちばん狭い部屋。薪ストーブとガスストーブがあり、暖房は万全。
ふと顔を上げると目の前には雪景色が広がる。雪景色……小松君の詩を思い出す。「蝶が落ちる 何千何万という蝶が……」
台所から見た景色。まだ真っ白とは言えないけれど、このまま降り続けばたちまち白で埋めつくされるだろう。生き物の気配はない。


次へ 目次へ