◆日記 00/12/27




今日の放哉


飼い主様失格

 いよいよ押し迫ってきました。昨日あたりから新潟に行き、今年は向こうで年末年始を迎える予定だったのですが、駄目になりました。
胃に詰まっていたもの
 まず吹雪と大寒気団の情報。そんなときにわざわざ出かけることはないと延期。次の本のゲラが送られてくるとのことで、それ待ち。で、風邪もひいて、鼻水たらたら。
 しかし最大の問題は、ゴロがここ3週間近く、ほとんど餌を食べないこと。今までにも何日間か急に食べなくなることはあったんですが、何事もなかったかのようにまた普通に食べ始めていたので、今回もそんなに心配はしていなかったんですね。もしかして発情して食欲がないのか? とか、勝手に思いこんでいました。
 餌がちょうど一箱なくなって、次の新しい箱のを出した途端に食べなくなったので、何かが変わって気に入らなかったのかとも思っていました。でも、全然違っていました。
 インターネットで検索して、ウサギ専門サイト「あなたがウサギにできること」を運営している獣医さんにメールを書いてみました。すると、

> どうも一刻をあらそう状態ではないかと思われます。
> おそらくたくきさんが考えてらっしょるよりも、状態は深刻です。
> もう夜なので今日は無理でしょうが、明日朝一番で病院に飛び込むくらいの意気込
>みが必要です。
> 診察していないのではっきりとは分かりませんが、おそらく線維不足(ワラ不足や
>線維質の少ないペレット、あるいはおやつの多給)による腸の運動能低下が起こって
>いるか、あるいはそれにともない異物(カーテンや紙、毛球など)が胃の中に詰まっ
>ているおそれがあります。(後略)

 とのこと。
 今までは、獣医さんのところに連れていくことによるストレスのほうが心配で、迷っていたのですが、これで踏ん切りがつき、その場で電話をして予約を取り、連れていきました。

 連れていったのは、この「あなたがウサギに……」サイトでも推薦情報に入っていた近所の麻生獣医科医院というところ。すぐ近くにありながら、今まで存在も知りませんでした。タヌや、ゴロの前のウサギ「シロ」のときも、このへんの獣医さんにはいろいろお世話になっているんですが、どうも今イチ決定打の「かかりつけ」に巡り会えずにいました。
 今回連れていった獣医さんは、高級住宅街の真ん中で、常連さんはほとんどお金持ちの奥さんと小型ペット犬。でも、ネットでは小動物もしっかり看てくれるという情報だったので、それを信じて訪ねたのですが、噂通り、とてもよい獣医さんでした。
 レントゲンを撮ったところ、胃は何かが詰まってパンパン、逆に腸は空っぽでガスが溜まっているという診 断。もはや一刻の猶予もないということで、そのまま預けて開腹手術。
 さっき、手術が終わって、とりあえず手術は無事乗り越えたようです。でも、今夜あたりが術後の山だと言われました。どんよりしてます。
 今から、胃から摘出したものを見に行ってきます。こういうところ、すごく気配りが細やかで、いい獣医さんだと思います。


手術後のゴロ
 
 今、行ってきました。ゴロは心なしか、ほっとしたような顔に見えました。
 このページ、冒頭の異様な画像は、ゴロの胃の中に詰まっていた未消化物です。
 腐敗臭はしていなかったから、少しずつでも水などで洗い流されていたのだろうとのことですが、3週間も前から、こんなものが詰まっていたのかと思うと、つくづく気がつくのが遅れたことが悔やまれます。
 早く元気になるといいんですが。

 ウサギはケロッとした顔をしているけれど、騙されてはいけないのね。腸にはまだガスが溜まっていて、ちゃんと機能していないとのこと。予断を許さない状態ですが、あとは待つしかないですね。
 元気になったら、心を入れ替えて、食べ物に注意します。
 日本で売られているラビットフードの大半は駄目だということも知りました。売れるから嗜好性の高い餌を作る。必要な繊維質が足りなくなる。胃腸の働きが弱る。ものが消化できず、詰まりやすくなる。ますます消化能力が落ちる→早死にする。……こういうことみたいです。
 「あなたがウサギに……」のサイトを運営している獣医さんも、今日、手術をしてくださった獣医さんも、異口同音にそのことを指摘していました。情報の嘘や利益最重視の社会のあり方に日頃いろいろいちゃもんをつけていながら、物言えぬ家族をそうした害から守ってやれなかった自分が情けない。猛省!
 獣医さんの話の中に、しばしば「あとは神様のご意志」という言葉が出てきたんですが、よく聴いてみると、「神様」ではなく「飼い主様」と言っているのでした。手術を受けさせるもさせないも「飼い主様」のご意志。甘やかして育てるのも厳しく育てるのも飼い主様のご意志。そうか、飼い主様はペット動物にとっては神様と同じなんだな。心を入れ替えて、賢い飼い主様にならなければ……。
 

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