日記 03/08/15
大地の芸術祭2003探訪 その1
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『ミルタウン・バスストップ』(ジョセップ・マリア・マルティン、スペイン)
雨の合間に1日だけ快晴になった8月16日土曜日。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003」なるものを見に、松代町に行った。
実は、14日にもお客さんと一緒に松代町へ出かけたのだが、強い雨がずっと降っていて、とても見て回るような雰囲気ではなかった。その荒天にもかかわらず、松代駅前駐車場は満杯。駅に併設されている「ふるさと会館」は人で溢れていた。
今日はその仕切り直し。今回はちゃんと作品マップも持っているので、しっかり見て回れるはず。
ところで、ここからのガイドの中には、「嘘作品」がいくつか紛れ込ませてある。
あなたはどれが「嘘作品」か、簡単に見抜けるか?
答えは最後のページにあるので、考えながら見ていってね。
まずは国道403号線沿い、犬伏地区にある3つの「アート」から。
上の赤い小屋は、実際に使われているバス停なのだが、これも2000年の芸術祭に出品されたれっきとした作品のひとつ。
すぐそばには、今回の出品作品中いちばんの評価もある力作『翼/飛行演習装置』(塩澤宏信)がある。
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この場所は犬伏地区の火葬場があったところだそうで、二本の杉の大木の間に石仏がある。
それだけでも十分雰囲気はあるのだが、そこに高さ4メートルの陶の力作を設置した。金属のように見えるが、陶なのだそうだ。触ってみても、あまり陶という感触ではない。
そびえ立っている二本の塔は「翼」で、その間に石仏のほうを向いて椅子が設置されている。この椅子に座り、精神の飛翔を試みるという趣向らしい。
「いわば、これは自分が死んだあとの飛行練習をするための装置」であると作者は語っている。
文句なしの力作で、今後長い間、犬伏地区のシンボルとなることだろう。
せっかくだから、その「装置」に座ってみた。精神が飛行をするだけのゆとりがなかったので翔べなかったが、それはまた今度。
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この作品閲覧の受付をしていた地元の女の子二人に「このへんでうまいご飯を食べさせてくれる店はない?」と訊いたところ、「松芋(まつお)蕎麦」というのを教えてくれた。
行ったところ、ちょうど昼食時で行列ができていた。残念ながらパス。
この店のすぐそばの田圃には、こんなアート?もある。これも2000年の作品。
「人自然に再び入る」(トーマス・エラー、ドイツ)
なんだかなあ。これを立てられちゃった田圃の地主さんは、結構困惑したんじゃないだろうか。
「アートだか芸術だかしらねえけどよぉ、突然外人さんのでっかい写真がおらの田圃に立てられちまってよぉ、まあ、案山子だと思えば腹もたたんがよぉ、なんだかなあ……」
……というような愚痴が聞こえてきそうなアートではありますね。
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