日記 03/09/03の8
大地の芸術祭2003探訪 十日町郊外編 5
『小さな家─聞き忘れないように─』(伊藤嘉朗)
JR飯山線・下条駅のそば、神明水辺公園に2つの作品があったが、どうも日光の手前。
これは川縁に造られた小さなコンクリートの穴。ここに座って水の音を聞こうという趣向なのだろうが、ゲジゲジやムカデが出てきそうで、あまり長居したくない。
『石の魚たち』(荻野弘一)
これは石のオブジェ群。↑
これだけ数を見てくると、この程度のものはほとんど目に入らなくなってくる。公園や役所の庭などに置かれた石造物なら、全国に数え切れないほどある。それが人を感動させるというのはよほどのことだろう。
僕はへそ曲がりなので、そういう彫刻作品を見ると、予算はいくらだったんだろう、とか、この作家が選ばれた理由はなんだったのだろう、などと、アート以外の思いを巡らせてしまう。
これを最後にしようと思って、その先のスキー場近くにある『盆景-II』(古郡弘)という作品を見に行った。
棚田をつぶして造られている雄大な作品。
雨続きで、田圃の稲は倒れていた。今年は不作だろう。
ぬかるんだ畦道を上っていくと、オニヤンマが産卵をしているところに出会った。
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このトンボを撮影していると、先に来ていた年輩の男性に声を掛けられた。
この作品の作成に関わった地元のかたで、雨が続いて心配なので見に来たとのこと。
帰りかけていたのに、わざわざ引き返して解説してくださった。
木の骨組みにこの田圃の泥を張り付けて造ってある。骨太でスケールの大きな作品だ。
村中の人たちがボランティアで造り上げたという。
ところが、なんと、この労作をもうすぐ壊してしまうのだとか。
屋根部分が雪に耐えられないだろうというのがひとつの理由だそうだが、なんとか永久保存にできないものなのか。少しずつ壊れていく風景もまた絵になるだろうに。
裏から見たところ↑
構造材は角材と土↑
今回あちこち見て回った中で、いちばん印象に残った作品だった。壊される前に見られてよかったと思う。
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