『テレビが言えない地デジの正体』(ベスト新書) 立ち読み版

『テレビが言えない地デジの正体』(ベスト新書)    書 名:『テレビが言えない地デジの正体』(ベスト新書)

   種 別:新書 240ページ
   著 者:たくき よしみつ
   版 元:KKベストセラーズ、2009.09
   価 格:752円+税
   ISBN :978-4-584-12244-0
   


今すぐご注文できます 

アマゾンコムで注文で買う    bk1で買うbk1で買う     クロネコで買う     紀伊國屋で買う

諸事情により、書店で入手しづらくなっている可能性があります。見つからない場合は、確実に入手可能な通販でご購入ください。



内容紹介

■はじめに

「2011年7月24日までにアナログテレビ放送は終了し、デジタルテレビ放送に移行します! アナログテレビについては、デジタルチューナーなどを取り付けなければ視聴できなくなります」
 ……これは、総務省のWEBサイトにデカデカと掲示されている文言である(2009年8月現在)。
 しかし、当初から放送業界では「2011年のアナログ停波は絶対に無理だ」と断言する人たちが少なくなかった。
 1億台以上あるとされるアナログテレビを全部粗大ゴミにできるはずがない。2011年までにすべての視聴者がデジタル対応できるはずがない。地デジ送出基地局の建設が間に合うわけがない。……理由はいくつもあげられた。
アナロ熊 不吉な予兆が続いている。
 地デジ推進役の「地デジ大使」が酔っぱらって、真夜中の誰もいない公園で少しだけ羽目を外した事件があった。総務大臣は「最低の人間だ」と激怒したが、世間はむしろ大臣のその言葉に呆れた。
 その後を受けたキャラクター「地デジカ(ちでじか)」は「スクール水着を着ている」と揶揄されてネット上でパロディが続出し、いじり倒されている。
 地デジカに対抗してアナログテレビを守るヘタレキャラ「アナロ熊(あなろぐま)」なるものまで登場した。
 そう、「地デジ化にだまされてはいけない」という声があちこちで噴出しているのだ。

 地デジ対応テレビが予想以上に普及しないのは、多くの人が「今までのテレビで何も困っていない」からだが、実は、理由はそれだけではない。
 今まで、テレビといえば、大きさの違いこそあれ、基本的には「同じもの」だったが、今や、テレビはひとつではない。
 地上波アナログ、地上波デジタル、BSアナログ、BSデジタル、CS、110度CS、ケーブルテレビ、ひかりテレビ、スカパー!光、アクトビラ、ワンセグなどなど、多くの種類の「テレビ放送」がある。それらを視聴するためのシステムは異なり、実に複雑怪奇なシステムに変貌してしまった。おそらく、現代の「テレビ事情」をきちんと説明できる人は少ないだろう。
 そもそも、BS、CS、ケーブルテレビ、IPテレビ(ひかりテレビやアクトビラなど)を使えば、「地上波」でデジタル放送をする必要などない。すでに高画質放送を実現できる手段が豊富に存在するのに、なぜ有効に使わないのか。
 BSやCSは通販番組やゴミ番組で埋め尽くされている。高解像度チャンネルでショボイ映像の通販番組を見る意味がどこにあるのか。
 また、地デジに限らず、デジタル放送を見るにはB-CASカードというやっかいな「通行手形」が必要で、録画やコピーがとてつもなく面倒になっている。一旦録画したデータをディスクにコピーして保存したり、他のメディアに移したりといった単純な管理をすることにさえ、ガチガチに制限され、残されたわずかな手段を行使するにも相当な知識や最新機器の購入を強いられる。
 たかだかテレビを見たり録画したりするだけのことに、なぜこれほど悩まされなければいけないのか。こうした「面倒くささ」こそ、「まだ買い換えなくてもいい」と思わせる要因になっている。
 大きくてきれいな画面を楽しめるのは結構なことだが、誰もが大型の高画質テレビを欲しているわけではない。買い換えるにしても、シンプルで小型のテレビを望む人はたくさんいる。テレビは小型でいいが、録画は思いきりできなくては困るという人もいる。
 こうした要望に、家電メーカー、放送会社、政府は、なぜ真摯に向き合わないのか。背景にはどんなカラクリ、思惑があるのか。
 本書はそうした複雑怪奇な現代テレビ事情を解明し、これ以上政府やメーカーにだまされないためのガイドブックである。
 これからテレビを買い換えようとしているかたも、すでに買い換えて地デジのクリアな画像を楽しんでいらっしゃるかたも、ぜひ一読してみていただきたい。
 テレビについて知らなかったこと、知って得することがたくさんあるに違いない。


■目次

第一章 地デジ完全移行で何が起きるのか?

地デジをアナログ標準画質で見なければならない人たち
1億台のテレビが粗大ゴミになる
廃棄することもできない共同アンテナ網
地デジのメリットはそんなに大きいのか?
デジタル放送=地デジではない
小さなテレビ、安いテレビが市場から消えた
早く買い換えた者ほど損をする?
B-CASカードのおかげで録画が不便になる

第二章 貧乏人はテレビを見るなという「国策」

地上波アナログ停波は本当に可能なのか
アメリカは「地デジ化」したのではない
総務省もテレビ局も諦めモード
アナログ送信を義務づけられたケーブルテレビ会社の困惑
「BS17問題」で明らかになる「電波差別」行政
疑問だらけのBSデジタル編成
「地デジの呪い」は田中角栄の亡霊か?
キー局に切り捨てられつつある地方局の生き延びる道
国による地デジ「簡易」チューナー無料配布の愚
地デジ以前にもこれだけあった挫折と失敗の放送史

第三章 ここが変だよ、ハイビジョン

漫然と「デブ専画像」を見ていてはいけない
ワイド(16対9)画像と標準(4対3)画像が混在することによる混乱
古いビデオやDVDはブラウン管時代のほうがきれい?
32型未満のテレビは「疑似ハイビジョン」
NHK大河ドラマの画質は4種類もあった
「大きなテレビは迫力がある」とはかぎらない
ケーブルテレビにも落とし穴がいろいろ

第四章 創造性も利便性も破壊したコピーガード技術

パソコンでテレビを見させまいとする人たち
端子の種類が増えるほどユーザーの困惑も増える
HDMI端子は「偽救世主」か?
HDMI端子を使っても高画質にならない?
自分で撮った映像を自由に見られない理不尽
デジタル放送番組をコピーするのは至難の業
B-CASは存在そのものがおかしい
フリーオは解決ゾロか海賊か

第五章 「電波の有効活用のため」は本当か?

地デジは「電波の有効利用」になるのか?
1億台の携帯電話がテレビ局を支えている?
「放送」か「通信」かで、てんやわんやの大騒ぎ
IPテレビはなぜ普及できないのか
放送局によるIPテレビいじめ
「NHKオンデマンド」への期待と幻滅
放送電波を通販ショップに売り渡した犯人
「みんなのテレビ」という幻想

第六章 後悔しないテレビ・録画機購入ガイド

地デジ対応テレビをいつ買うか?
プラズマと液晶はどちらを選ぶ?
購入前にチェックしておくポイント
ブルーレイは本当に必要か?
テレビの大きさは37型を基本に考える
テレビをどこで買うか?

あとがき〜 最後の選択は「テレビをやめる」ことか?


この場でご注文できます >>>  アマゾンコムで注文で買う  bk1で買うbk1で買う   クロネコで買う   紀伊國屋で買う

諸事情により、書店で入手しづらくなっている可能性があります。見つからない場合は、確実に入手可能な通販をご利用ください。
indexへ戻る    著作リストへ戻る