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幸せビンボー術 17

デジタル道具(3)

モバイル通信費用をとことん安くする

田舎暮らし、地方移住では、何はなくとも光通信回線の確保であり、そのための特別な節約術はないのですが、モバイル通信(スマホの使用など)については、通信会社や契約形態の選び方、使い方の工夫で、費用が大きく違ってきます。
もし、現在、毎月スマホの通信費用に3000円以上出しているなら、一度、根本的に見直してみましょう。

大手3社かMVNOか

 今の世の中、スマホを使って天気予報や地図、時刻表、ニュースなどを確認したり、チケットを予約したりする生活はあたりまえになりました。そんなスマホの通信費用は、毎月5000円以上払っている人がたくさんいる一方で、同じような使い方をしているのに1000円程度という人も結構います。なぜそんなに差が出るのでしょうか?
 まず、契約する通信会社の選び方で大きく違ってきます。
 誰もが知っているように、日本ではdocomo(NTT系)、au(KDDI)、ソフトバンクの3社がモバイル用の通信回線を提供している「移動体通信事業者」(MNO=Mobile Network Operator)大手で、「大手3社」とか「キャリア」などと呼ばれます。
 そこに楽天モバイルが新たに参入してきましたが、まだ自社回線は都市部にしかなく、地方ではKDDIから通信設備を借りる形なので、2021年現在、まだ「大手」とはいえないでしょう。
 大手3社に対して、その3社の回線を借りる形でサービスを提供しているのがMVNO(Mobile Virtual Network Operator)と呼ばれる業者です。具体的には、LINEモバイル、mineo、Y!mobileといったブランドがそれで、日本国内には大小合わせて数十社あるようです。(一時期100社くらいありましたが、廃止や吸収が今も続いていて、正確な数は分かりません。)
 V(ヴァーチャル)という名前が表しているように、これらは大手3社の回線を借りていて、自社の回線は持っていません。
 送電網を持っていない新電力会社が基幹電力会社(10電力)の設備を借りて電力を売っているのと同じ構図です。
 当然、大手3社より安い料金体系にしていなければMVNOの商売は成立しません。
 「格安ケータイ」などと呼ばれて、なんとなく大手より品質の悪いサービスのような印象を持たれている向きがありますが、同じ回線を使っているのですから、物理的な性能差はありません。ただし、MVNOが大手からどれだけの回線資産を借りているか、そこにどれだけのユーザーを割り振っているかで、速度の違いなどが出ます。しかし、その原理は大手も同じことです。
 私はガラケーからスマホに切り替えた時点でdocomoからmineo(回線はdocomo)に乗り替えましたが、通信品質が悪いと感じることはありません。

 国の肝煎りで、大手事業者の料金引き下げが促された結果、2021年から各社が今までより安い新料金体系を発表しました。
 最大手であるdocomoは、今までの料金体系とは別にahamo(アハモ)という料金体系を新設しました。
 月間データ容量20GBで月額2980円(税抜)という一択。20GB超過は最大1Mbpsの通信速度制限。1GBあたり500円で容量追加可能。通話は1回5分まで無料で、5分を超過すると30秒ごとに20円。かけ放題オプションは追加で1000円。
 ……というものです。
 月に20GBを使うユーザーというのはそうそういないはずなので、十分すぎるでしょう。これが2980円ならMVNOと同じレベルになったと感じる人が多いでしょうが、通話が5分を超えると30秒ごとに20円は、少し油断するとたちまち追加料金がつきそうです。1回30分の通話を月に10回したとすると、250分×40円で通話の超過料金だけで1万円ですから、たちまち12980円+税で14278円の請求が来ます。
 それを避けるために1000円のかけ放題オプションをつけると、3980円(税別)/月(税込4378円)です。
 これは安いのでしょうか?

スマホの通信代は月1000円以下も可能

 では、スマホを普通に使い倒していても毎月の料金が1000円以下という人がいるというのはどんなカラクリなのでしょう。
 スマホは、家で使うときは光回線からのWi-Fiで接続すれば通信料金はかからないので、家の外での利用と音声通話の頻度がどのくらいあるのかで通信費が大きく変わってきます。
 スマホの契約には、データ通信のみの契約音声通話+データ通信の契約という2種類があります。当然「データ通信のみ」の契約のほうが料金はグンと安くなります。
 例えば、MVNOのLINEモバイルは、データのみだと500MBで月 600円、3GBで月 980円。LINE利用時はデータ使用料ゼロ円です。LINE、Twitter、Facebook利用時はゼロ円計算にしてくれる「SNSデータフリー」というオプションが月額280円でつけられるというユニークな特徴もあります。
 データ通信のみの契約というのは、データ通信専用SIMをモバイルパソコンやタブレット、モバイルルーターなどに入れて、外出時にインターネット回線に無線でつないでいるという利用法です。

 一方、音声通話+データ通信の契約は、データ通信用回線の他に、固定電話やケータイなどと直接つながる音声通話用回線も使えるというもので、ほとんどの人はこの契約でスマホを使っています。
 実は、音声通話回線を使った「通話料」というものが曲者で、データ通信の料金に比べるとグンと高額なのです。「通話し放題」のオプション契約をしないと、前述のahamoの通常契約で30分の通話を月に10回やってしまった人の例のように、請求金額が大変なことになります。

 通話に関しては、仕事の関係などで、あらゆる種類の電話と頻繁に音声でやりとりしなければいけない人がいることは分かります。そういう人は固定料金で「通話無制限」サービスをつけた契約をするしかありません。
 しかし、ネット時代以前に比べると普段の生活で電話をする機会は激減したという人が多いのではないでしょうか。
 私の場合、仕事も含めて、生活の中に「電話」というものがまったくといっていいほど入り込んでいません。
 例えば、私は2020年に『介護施設は「人」で選べ』という単行本を上梓しました。この本は出版社(講談社)に企画を打診したのが年始めで、コロナの影響もあって出版が遅れ、発売されたのが10月でしたが、その間、担当編集者とは一度も会っていませんし、電話さえしていません。最初から最後まですべてメールです。
 某雑誌では30年以上にわたって小さなコラムを連載していますが、現在の担当者ともその前の担当者ともその前の担当者とも会ったことはなく、やはりすべてメールでのやりとりです。顔も声も知りません。ですから、たまにケータイ(スマホ)のコール音が鳴ると、すわ緊急事態か? と身構えてしまいます。
 そんな私の生活はかなり特殊かもしれませんが、「電話をしなくなった」「今はほとんどLINEで」という人は多いと思います。

 また、私は常々疑問に思っているのですが、Wi-Fiが使えない環境(移動中や、家・仕事場以外の場所)で、スマホで常に大量のデータ通信をしなければいけない生活というのはどういう生活なのでしょうか。
 通勤・通学電車の中で回線をつないだまま動画配信サイトで動画を見ているとか、ネットゲームをしているとか、株式相場をリアルタイムで見張っているとか、スマホをカーナビ代わりにして一日中車で移動しているとか……そういう状況しか思い浮かばないのです。都会で一日中外を飛び回っている人ならまだしも、田舎でそんな生活をしている人がどのくらいいるだろうか、と。

 家にいて、毎日長話をする決まった相手がいるというだけのことなら、音声通話回線を使わず、Wi-Fi接続で音声通話アプリを使えば料金はかかりません(光回線の基本料金だけ)。Wi-Fi環境のある場所(家や仕事場)から決まった相手(家族や仕事仲間など)に電話をするのに音声通話回線を使うのは通信料金の無駄使いです。

通話アプリの種類

 音声通話回線を使わないデータ通信契約のみのスマホでも電話(音声通話)は可能です。
 これは、いわゆるIP電話(データ通信回線を使った音声通話やテレビ電話)のことで、音声通話回線機能をつけないデータ専用回線の契約でも使えます。
 これならWi-Fi利用時はいくら通話しても相手が同じIP電話なら通話料は基本無料ですし、外で使っても、音声回線利用の通話時のような高額な通話料金よりはずっと安くつきます。

 IP電話通話は、利用方式によって以下のような違いがあります。
050番号方式
 契約者個別に050で始まる電話番号が与えられ、普通の電話と同じように、ケータイや固定電話に電話がかけられますし、電話を受けることもできます。
 相手が同じ系列のIP電話であれば、通話料はかかりません。
 具体的には、050 plus(NTTコミュニケーションズ)、LaLa Call(ケイ・オプティコム)、SMARTalk(楽天コミュニケーションズ)などがありますが、SMARTalkは2020年に新規登録を打ち切ってしまいました。
 料金は以下の通りです。(2021年2月現在。すべて税別表示)

050 plus

LaLa Call
 通話品質が一般の音声通話用回線より劣るといわれていますが、回線状態が良好なら気になるほどのものではありません。
 LaLa Callは月額基本料が安く、その100円には100円分の通話料が含まれているので、固定電話への通話なら37分くらい無料(基本料のみ)となります。

 この050電話の欠点としては、  ……といったことがあげられます。
 私はLaLa CallとSMARTalkで1つずつ050電話番号を持っています。(しかし、実際にはまったく使っていません。ほとんど「保険」のようなものでしょうか)
050電話以外のIP電話
 次に、加入者(アプリ利用者)同士ならいつでも無料通話ができるものとして、LINE、カカオトーク、Messenger、Viber、Skype、SkyPhone、Zoomといったものがあります。
 LINEは多くの人が使っているので、相手がLINE利用者であれば、わざわざ音声通話回線を使わずとも無料通話ができます。Messengerはフェイスブックのユーザーには自動的についている機能なので、これもLINEほどではないにしろユーザーは多いでしょう。
 自宅Wi-Fi環境下であれば、データ通信量も関係ないので、アメリカの友人とテレビ電話で時間を気にせずに長話をすることもできます。

 私はLINEは使っていませんが、Skype、Skyphone、Messengerは常に使える状態になっています。
 妻はLINEもフェイスブックもやっていないので、妻との電話連絡はSkyPhone(スカイフォン)をよく使っています。
 ユーザー登録も何もいらず、アプリをダウンロードして「電話番号を得る」のタップ1回でセットアップ完了。本当にそれだけの簡単登録。
 音声品質もよく、利用者が少ないのでセキュリティ上も有利。特定の相手との通話にはうってつけです。

 無料通話アプリのうち、LINE、Viber、Skypeなどは、通話料金はかかりますが、一般の固定電話やケータイに電話をかける機能もつけられます。ただし、その際、相手に表示される050の電話番号はランダムで、自分専用のものではないため、相手に疑われる可能性はLaLa Callなどの固定番号の050電話より高いでしょう。
 それなら毎月100円払っても、LaLa Callを使うほうがいいと思います。
 これらのIP電話機能を使えば、音声通話回線を使うことなく電話をかけたり受けたりできるので、データ通信のみの契約でもなんとかなってしまうのです。
 例えばMVNOのmineoだと、データ通信のみの「シングルタイプ」と呼ばれる契約は、月1GBのコースが800円、5GBのコースが1150円(税別)です。
 この1GBのコースにLaLa Callをつけると月額900円(税別)で、050の電話番号を持ったケータイ生活ができるわけです。
 なお、データ通信のみのコースでも、SMS(ショートメッセージ)機能はつけておきましょう。各種契約やサイトへのログイン時の認証にSMSが使われることが多いので、これが使えないと困ることになります。mineoではau回線の契約だと無料でSMS機能がつきますが、docomo回線だと120円/月、ソフトバンク回線だと180円/月のオプションになっています。

IP電話通話で消費するデータ量

 IP電話は、自宅や仕事場のWi-Fi環境下であればデータ消費を気にする必要はありません。一方、音声通話回線を使った通話は、家にいてもWi-Fiでつながっているわけではないので、通話時間によって通話料がしっかりかかります。
 では、IP電話を外で(無料Wi-Fi環境がない状態で)使うとどれくらいのデータを消費するのでしょうか。
 050電話の050 plusのサイトによれば、
 ……だそうです。
 1日12時間外にいて、その間ずっと待ち受け状態であれば75KB消費しています。これを30日続けたとしても2250KB、約2MBですから、ほぼ無視していいようなデータ量です。
 外にいるとき、30分通話すると7500KB(約7.5MB)消費します。これを30日行ったとしても約220MBですから、1GBコースであってもまだ4分の3以上はデータ量が残っている計算です。しかも、たいていは契約データ量を超過しても、250kbps程度の低速通信は保証されているので、通話ができなくなるわけではありません。
 つまり、IP電話通話しかしないと決めてしまえば、1GBや3GB程度の安いコースでも、十分に「電話」は使えるということです。

安心料だと思って通話機能付き契約を

 しかし、電話は何かあったときの一種の「保険」という役割もあるので、私はほとんど使わないにも関わらず、通話機能付き契約をしています。
 MVNOのmineoでは「デュアルタイプ」と呼んでいるものです。一般にスマホの契約形態はこれです。
 mineoの料金体系ですと、
1GB:1180円/月、5GB:1380円/月、10GB:1780円/月、20GB:1980円/月 (いずれも税別。2021年2月からの新料金体系)
 です。
 私の生活ですと月に1GBも使うことはまずないのですが、200円の差なら……と、保険として5GB契約にしています。
 ちなみに、mineoの契約者の99%は10GB以下の契約だそうです。

 普通の音声通話の通話料は「mineo電話」という専用アプリ(無料)を使うと30秒10円(税込)です。
 月額850円の「10分かけ放題」というオプションをつけると、10分までの通話が無料になります。
 私は、これまたほとんど使っていないのですが、この「10分かけ放題」には入っています。

 今の生活では、LaLa Callも10分かけ放題も意味がないので、毎月約1000円を捨てているようなものですが、この1000円は「保険料」だと割り切っています。
 捨てている1000円がもったいないと思いつつ、毎月mineoには1380円+100円+850円=2330円(税込・2563円)をスマホ料金として支払っているわけです。

↑私のスマホ。2万円台の廉価モデルだが、これで十分。

モバイルルーター

 保険といえば、スマホよりずっと古くから契約しているデータ通信SIMがありました。
 b-mobileの「おかわりSIM」というもので、このいちばん安いデータ通信専用SIMを持っています。1GBコースで料金は月額500円です。
 これは出張などのときにiPad mini2をモバイルルーター経由で接続するために契約したのですが、今はまったく使っていません。契約解除してもいいのですが、このサービスは2019年8月で新規受付を終了しています。解約するとまた契約、というわけにはいかないので、そのまま持っているのです。
 スマホにテザリング機能(スマホがWi-Fiルーターとして機能する)がついているので、外出時にタブレット端末などを使うときもモバイルルーターなしで接続できるのですが、月500円ならまあ……これもやはり「保険」として持っておくか、いう感じでしょうか。
 これはスマホにも使えるので、余っているスマホがあれば予備機にもなります。

 なお、複数台分のSIMを契約するのであれば、利用する回線を別のもの(docomoとau)にしておくとさらに「保険」になります。どちらかの回線が落ちたときでも、もう一方の回線が使えるからです。
 我が家では私も妻もmineoのSIMでスマホを使っていますが、私はdocomo、妻はauと、わざと別の回線で契約しています。災害時や、僻地に旅行したときなどに、どちらかが使えなくてもどちらかが生きているケースを想定してのことです。

↓今はもう新規契約が終わってしまった「おかわりSIM」。↑右はdocomo回線用のモバイルルーター。

 ちなみにこの手の格安通信SIMサービスは、最近ではどんどん消えています。業界の再編・統廃合が急速に進んでおり、1年後の予想も難しい状況です。

スマホ中毒にご注意

 スマホは確かに便利な道具です。お財布代わり、地図代わり、手帳やメモ帳代わり、録音機代わり、カメラ代わり……(あ、電話もできるか……)。これだけ多様な役割があの薄い板の中にすべて詰まっているのですから、ないと困るのは確かです。
 しかし、そうした使い方には通信料はほとんどかかりません。スマホで通信料がかさむのは、漫然とネットに接続している時間が多いからではないでしょうか。スマホでネットを閲覧している時間の多くは、受け身の情報を消化するだけの時間です。天気予報やニュース、乗換案内などの情報は本当に助かりますが、そうではないものに取り込まれていることも多いのではないでしょうか。スマホを使っているようでいて、実はスマホに使われる生活に閉じ込められているのかもしれません。
 ネットにつないでいるときといないときのON/OFFをはっきり分けることが大切です。創造的な活動や、新たな気づき、生産的な作業の多くは、OFFの時間にこそあります。一日中スマホを見ている生活というのは、そうした貴重な時間を奪われていることになりがちです。

 ……とまあ、偉そうなことを書いてきましたが、私も、なんだかんだでスマホとタブレット端末用の2契約(2社)SIM2枚で、毎月2830円(税別)も支払っているのだなあと、ちょっと切なくなってしまいました。
 ともあれ、田舎暮らしでスマホ代が3000円以上かかっている人は、一度、契約形態で損をしていないか、使い方が下手なのではないか(Wi-Fi環境にいながらWi-Fiを使っていないなど)、あるいは生活スタイルがスマホ中毒傾向にあるのではないか、という点を根本的に見直してみたほうがいいのではないか、と思います。

↑1日中腰につけてはいるが、家ではほとんど使うことのない私のスマホ

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