日記 2004/11/06
タヌパック越後の最後 2
(承前)
溜息をついているところに、向かいの家のご主人・源治さんがやってきた。近所の人と一緒にこの奥にある田圃を見てきたという。田圃も全滅だとか。
「いや、ひどいもんだよ。うち、見る? 見てよ、これ」
我が家の中を見る前に、お向かいの家を見ることになった。
電柱が2本、完全に倒れていて、電線1本だけでぶら下がっている状態。この電線が切れるとそのまま家に倒れてくる。
おばあさんが丹誠込めて野菜を作っていた入り口横の畑は崩れて、高さが50cmくらい低くなっていた。
家は半分が完全倒壊。納屋が1棟完全倒壊。残りの納屋も土台が崩れて使い物にならない状態。
お向かいの家の内部↑↓
家の中も滅茶苦茶だった。柱は傾き、鎹は外れ、壁は落ちている。これはもう、修理するというような問題ではない。
何から手をつければいいのかも分からない状態。
源治さんたちは力なく笑いながら避難所へ戻っていった。
さてと、こちらは今日しかチャンスがない。家の中に残っているもので、このまま雪の下に埋もれさせるにはしのびないものをなんとか運び出したい。
まずは危険度を調べながら、外から中をうかがった↓
↑廊下側から中を窺う。足を踏み入れることさえ不可能
柱という柱がすべて斜めになっている。いつ崩れ落ちても不思議ではない。
玄関からはいることを諦め、横の窓から入ることにした。余震が起きたら怖い。
↑一階の様子。全体が斜めにつぶれかけている。
↑台所側を覗いた様子。手前は二階への階段だが、壁が落ちていて登れない。
一階では、ギターはなんとか無事だったようだ。
大学生のときに月賦で買った田村博製作のフラメンコギター。いろんなステージで弾いた想い出の名器。救出1号↓
灯油缶には灯油が満タンに残っていたので、避難所への差し入れ物資に加える。その他、残してあった缶飲料や缶ビールなども全部避難所行き物資に追加。
一階はもう、いつつぶれてもおかしくない状況。柱は全部斜めになっていて、どこでどう支えているのか分からない。
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