日記 02/04/06



抜け毛の季節


毛が抜けて困ったゴロ
SONY F707使用。 絞り・F2.4 焦点距離・190mm(35mm換算)、露光・2.0秒、ノーフラッシュで撮影
 ゴロの抜け毛はまだ収まらない。ごらんの通り
 よく写っているでしょ。実は、asahi.comのコラムでも書いていたんだけれど、悩んだ末についに買ってしまったのですよ。SONYのF707という高級デジカメを。
 ヨドバシで11万7000円でした。たっか~。
 しかし、写真の出来は道具に依存しますね。どんなに腕のいいカメラマンでも、使い捨てカメラ(あれは正確にはカメラではなく、「レンズ付きフィルム」なんだそうで)ではなかなかアート作品は撮れない。
 デジカメの性能向上は目を見張るものがあり、解像度などはすでにフィルム式カメラと比べても遜色ないものになったけれど、写真の出来を左右するレンズ性能に関しては、高級レンズを自由に付け替えられる一眼レフに比べると厳しい。
 狛犬ネットの「狛犬の撮影」というコーナーでも紹介したように、ズームレンズのついたデジカメで、現在いちばん明るいレンズを搭載しているのが、SONYのF707とオリンパスの製品群。開放側のF値が2.0。
 SONYのF707とオリンパスのE-10はともにF2.0~2.4というF値。35mmフィルム換算の焦点距離は、F707が38-190mm。E-10が35-140mm相当で、望遠側の性能を重視するならSONYということになる。
 他に、オリンパスの製品でC-3040というのが、F1.8-F2.6というレンズを搭載していて、これが現在のところデジタルカメラ搭載のズームレンズでは世界一明るいらしいのだが、望遠側のF値では、SONYのほうが勝っているし、焦点距離も35-105mm相当だから、背景をぼかした写真を撮りたいときは、むしろF707のほうが有利になる。
 この上となると、フィルム式一眼レフカメラのレンズをそのまま使えるデジカメがあるが、どれも実売価格が30万円以上するので、僕の道楽では許容限度外。
 道楽のための道具(一応、仕事にも使うけれど)に10万円を超える出費というのは一生に何度あるかという決断なのだが、まあ、残りの人生も限られているし、買ってしまったのだった。

 まだまだ使い込んでいないのでなんとも言えないのだが、ごらんの通り、解像度はたいしたもんですね。
 ゴロの抜け毛が汚らしく身体にまとわりついているところがよく見えるでしょ? (暗い室内で、露光2.0秒を三脚なしでやってしまうカメラマンの腕もいいのだが……自画自賛モード)
 これでも撮影モードは低画質(1280×960ピクセルの低画質JPEGモード)で、WEB用にそれをさらに小さくリサイズしているのだ。最高画質なんかで撮影したらどんなことになるやら。
仰向けのゴロ

 仰向けにひっくり返されているゴロ F2.2、1/30秒(オートモード)で撮影後、ガンマ補正。
 それにしても、オリンパスとSONYでは、デジカメの設計思想が全然違う。オリンパスはカメラメーカーだから、デジカメもカメラの流儀に則って作っている。一方、SONYは元々が電器メーカーだから、デジカメをパソコンの拡張機器のようにとらえているようなところがある。
 電源を入れると起動画面が現れ、ジャンっと音が鳴る。Windowsの悪いところ(子供っぽさ)を真似しているのが気に入らない。スイッチ類のレイアウトも、カメラを分かっていないなあと思わせる。
 暗がりでストロボ発光禁止にしてオートモードで撮影すると、オリンパスは露出を優先させて、絞りを開放にした上で、シャッタースピードを遅らせる。上の写真では、2秒という露光が必要だったのだが、オリンパスならオートモードでも2秒でシャッターを切る。もちろん、2秒という露光時間では、三脚などで固定しない限りはまず間違いなく手ぶれが起きる。(上の写真ではカメラを台の上に押しつけていたのと、被写体のゴロが緊張して固まっていたのが幸いして、奇跡的にぶれずにすんだ)
 一方、SONYは、このようなときでも、シャッター速度は1/30秒以上にはしない。露光が足りないのを承知で、1/30秒でシャッターを切る。結果、真っ黒な写真になる。
 デジカメの撮影は、後からレタッチソフトのガンマ補正などでかなり画質を変えられるので、こうした割り切りをしているのかもしれない。分かっているプロならば、こういう場合には絞り優先モードで撮影するはずだから、オートモードでは素人が手ぶれを起こさないことを優先させようという発想なのだろう。
 分かってしまえばどうということはないのだが、最初はオートモードで撮影したとき、なぜオリンパスとSONYではこんなに違う写真ができてしまうのかと驚いた。
 他にもいろいろ使い勝手やフィーリングの面では不満点はあるのだが、F707の基本的な性能が優れていることは確かだろう。長くつき合いたい。

一つ前の日記へ一つ前の日記へ     次の日記へ次の日記へ

★タヌパック音楽館は、こちら
★大人の学校・森水学園は、こちら
★タヌパックブックスはこちら


ぼたんここが秘密の集会所   HOME(back to index)



今日の放哉