たくき よしみつ の たくき よしみつ(鐸木能光)のデジカメ・ガバサク談義 ガバサク

お勧めのデジカメはこれだ(2008年10月版)

お勧めデジカメの条件とは?

ガバサク流がお勧めするデジカメの条件とは、以下のようなものです。
  1. レンズが明るい(最低でも広角側開放F値が2.8以上明るいもの)
  2. レンズ部、または液晶モニター部が動く(仰角撮影などができるもの)
  3. 撮像素子が大きい(あまりに小さな撮像素子なのに高画素を謳う機種は信用しない)
あまたある条件の中から、敢えてこの3点だけを取り上げてみました。
特に譲れないのは「レンズの明るさ」です。室内撮影でバシャバシャと内蔵ストロボを浴びせるような撮影方法は論外。しかし、いくら高価なデジタル一眼レフを買っても、セット販売のF3.5-5.6などという暗いレンズをつけていたのでは、ストロボをたくしかないわけで、結果的には、どんなに高解像度な写真が撮れたとしても、人物の顔はテカテカに光り、見るからに素人写真、というものになってしまいます。
上記以外の要素については、個別のお勧め機種の解説で触れていきます。
なお、この条件に合ったカメラはどんどん少なくなってきました。そこで、製造中止になったモデルも、敢えて取り上げています。ヤフオクなどでまだまだ入手可能です。
詳しい仕様はメーカーのサイトなどで確認してください。
カメラの画像をクリックするとメーカーサイトに飛びます。
撮像素子と最高解像度の関係が一目で分かるよう、比較面積表示をしてみました。
(撮像素子面積)と(最高解像度面積)の差が大きいほど、設計に無理をしているということになります。

メモ帳代わり、日記用の小型モデル

この用途では、ファインダーやズームレンズは必ずしもいりません。簡単に撮れることと、レンズが明るいことが絶対条件。それにしても、このクラスの機種に魅力的な製品がなくなってしまったことが残念です。ほとんどがOEM製品であり、どのメーカーのものも似たり寄ったり。利ざやが小さいので開発に力が入っていないのが歴然。性能は二の次で、見た目のお洒落さと画素数競争だけで作られたようなものばかり目立ちます。特に、薄型なのに妙に高画素のものはお勧めしません。せめて、ボディ分割でレンズ部が回転するタイプをぜひ復活させてほしいものです。
ボディ分割回転式がいいのですが、このタイプは消えてしまいました。現行製品ではどれも同じような形、仕様になっていて、比較の意味が薄れています。CCDは1/2.33型・1000万画素タイプ。このCCDは明らかに無理な設計をしていて、暗い場所では色の階調が悪く、ノイズも増えます。しかし、他に選択肢がない以上、軽くて(本体重量125g以下)、レンズがF2.8の明るさを確保していて、広角28mmが撮れる機種という条件で選んでみました。
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズ開放F値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度本体重量
モニター
その他
S610
Nikon COOLPIX S610

1/2.3型

3648×2736
F2.7-5.85-20mm
(28-112mm)
4〜1/1500秒125g最短撮影距離3cm
この前のS600を購入してかなり撮影してみたが、色調が浅いのとオートブラケットがないのが難点。2008年9月末段階での最安値は2万8000円前後。1つ前のS600が1万7000円前後まで価格が下がって在庫処分しているので、そちらが狙い目。基本性能は変わらない。 (2008年8月発売)
FX37
Panasonic Lumix DMC-FX37

1/2.3型

3648×2736
F2.8-5.94.4-22mm
(25-125mm)
8〜1/2000秒125g最短撮影距離5cm
この前のFX35を使ったことがあるが、色調が浅いのはかなり気になった。S600に比べてのメリットは、レンズのズーム域が若干広いのとオートブラケットがある点。2008年9月末段階での最安値は2万8000円前後。1つ前のFX35が2万1000円前後まで価格が下がって在庫処分しているので、そちらも狙い目。基本性能は変わらない。 (2008年8月発売)
安くて軽くて(それでもメモ代わりカメラとしてはまだ重いと思いますが)広角が撮れてレンズが明るいという条件で選ぶとこの2機種でしょうか。
私が理想としていたボディ分割回転式タイプの旧モデルを紹介しておきます。いずれも参考までのものであり、基本性能が劇的によくなった今では、ヤフオクでこれらのカメラを探し回る価値はないと思いますが、これらのカメラを「今のレベル」で作り直せば、魅力的なカメラになるはずだと思うのです。まだこれらの一覧を残しておくのは、死んだ子を忘れられない未練のようなものだと思ってください。
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズ開放F値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他
U50
SONY DSC U50

1/2.7型

1632×1224
F2.8単焦点 33mm1/8〜1/2000秒最短撮影距離10cm
メモ代わりカメラの傑作。単焦点レンズという割り切りがすばらしい。マクロもズームもないが、簡単に撮るための道具としてはピカイチ。レンズのクオリティがよければさらにすばらしい道具になったのだが、SONYはこのシリーズの開発をやめてしまった。製造中止モデル。ヤフオクでは数千円〜1万円台くらいで落札か。(2003年8月発売・生産終了)
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズ開放F値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他
Optio X
Pentax Optio X

1/2.5型

2560×1920
F2.6-F4.836-107mm4〜1/2000秒マクロが結構使える
あらゆる場面で「そこそこ」の写真が撮れる万能機。ホールド性・操作性が非常に悪い、ストロボ禁止がモード変更で解除されてしまう、望遠側がやや暗い、などなど、欠点も多いが、貴重なレンズ部可動のメモ帳カメラ。旅行時に小型機1台しか持てないならこれを持っていく、というカメラ。発表後2年経ち、Pentaxはついに後継機を出すことなく製造中止にしてしまった。社長が「これからはコンパクト機はOEMで、デジタル一眼レフに集中する」というような発言をしていたが、まさにその通り、予想通りの結末。(2004年9月発売・生産終了)
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズ開放F値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他

Nikon COOLPIX S10

1/2.5型

2816×2112
F3.538-380mm2〜1/1000秒手ぶれ補正機能
F値が3.5という暗さなので、本来はここでは取り上げないところだが、ボディ分割回転型として最後のモデルとなったことと、このタイプのコンパクト機に初めて手ぶれ補正機能がついたということで取り上げてみた。回転型ボディをようやく復活させてくれたことは嬉しかったが、なぜレンズをF3.5でよしとしてしまったのか、実に残念(ただし全域F3.5なので、望遠側はむしろ明るいといえる)。また、広角側が38mmでは、せっかくの回転型ボディを生かした面白い構図にも限界がある。なんとも中途半端な設計は疑問だらけ。フラッシュなしでは使えないことを承知でからか、自動赤目補正だのなんだのと余計なところに手を入れている。そんな腰の引けたことではなく、望遠側をスッパリ諦め、ガツンと明るいレンズで広角側28mmを実現してほしかった。
で、当初の懸念どおり、あっという間に生産終了し、後継機も出なかった。これでついに市場からボディ分割回転式コンパクト機は完全に消えてしまった。
在庫最後の店頭実売価格は2万8000円ほどだった(2008年4月)。
(2006年9月発売。生産終了)

「いい写真」を撮りたいならせめてこのくらいは……中堅機

このくらいの機種を持っていれば、写真の趣味は十分に楽しめるはずです。1台しか持つつもりがないのなら、最初の1台からこのクラスのカメラを持つことをお勧めします。ただし、ポケットに入れて気軽にどこへでも、というわけにはいきません。デジタル一眼に比べればはるかに楽ですが、小型機に比べると若干の気合いは必要です。
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズF値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他機能
PowerShot 1IS
Canon PowerShot SX1 IS

1/2.3型CMOS

3648×2736
F2.8-5.75-100mm
(28〜580mm)
15〜1/3200秒高速CMOSで連写性能大幅UP。バリアングルモニター
以前のS3やS5に比べると広角が撮れるようになり、最大の欠点が解消された。また、CCDに比べると処理速度が速いCMOSを採用することで、連写機能が劇的に向上した。動物園や運動会では威力を発揮するだろう。ただし、連写後の処理時間が気になるところ。
数少なくなった(というよりは、左右にも動く完全フリーアングル式は業界唯一になった?)バリアングルモニター搭載。
ほぼ同じようなスペックで、1/2.33型CCDを使ったSX10ISが先行して出るが、どうせならCMOSを使った1ISのほうが面白そう。
惜しむらくは、せっかくの自社製(多分)新設計CMOSなのに、画素数を欲張ったこと。500万画素以下にしておけば画質は数段きれいになったであろうに、本当にもったいない。連写後の記録時間短縮のためにも、意味のない高画素はやめるべきだった。キヤノンはデジタル一眼でも高画素路線を続けており、このままでは「分かっている」ユーザーからは徐々に見放されるのではないか? 開発陣に高画素を命じている人たちは、いい加減に心を入れ替えてほしい。
12月発売だが3か月も前からスペックを発表しているのは自信の表れか、それともカシオを意識してのことか。 予約時点での実勢価格(08年9月末時点)6万8000円前後。(2008年12月発売予定)
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズF値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他機能
SP565UZ
Olympus SP565UZ

1/2.33型
CCD

3648×2736
F2.8-4.54.6-92
(26〜520mm)
1/2〜1/2000秒(バルブ時最長8分)×メカニカルシャッター使用の高速連写で最大1秒間に約7コマ、電子シャッターの高速連写では1秒間に約13.5コマの高速連写。プリキャプチャー機能あり。
広角側28mm〜望遠側504mmという極端なズーム比を持ったSP-550UZが登場してからこれが4代目。550、560、570ときて、今度は580かと思いきや、565だそうだ。560から570になったとき、CCDがほんの少し大きくなり、レンズのズーム比も26〜520mmとさらに拡大した。しかし、570から565へのモデルチェンジは、何が変わったのかよく分からない。
キヤノンのSXやソニーのH50に負けているのはバリアングルモニターではない点。570が安売りされていればそちらのほうがお買い得。9月時点では3万5000円程度で在庫処分している。安い570があれば、そちらのほうがいい。あるいは、ソニーのH50のほうが、バリアングルモニターの魅力が大きいのでお勧めか。
実勢価格(08年9月時点)4万5800円。(2008年9月発売)。
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズF値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他機能
H50
SONY DHC-H50

1/2.33型
CCD

3456x2592
F2.7-4.55.2-78
(31〜465mm)
30〜1/4000秒近接1cm〜撮影可能。上下角度可変モニター
従来のHシリーズは、レンズが暗いなどの欠点があり、あまり魅力を感じなかったが、ここにきてチルトモニターと明るいレンズのモデルが出てきて、ぐんと魅力が増した。
CCD性能はコンパクト機と同じで平凡だが、明るいレンズが魅力。若干ズームレンジがライバル機に比べると狭いが、テレ端でもF4.5の明るさは心強い。また、最大の魅力は、価格が他機種に比べて圧倒的に安いこと。3万円台で買えるのは嬉しい。デジタル一眼に比べると、このクラスのレンズ一体型は中途半端になりやすい。その点でも、価格が安いなら割り切れる。
実勢最安価格(08年9月時点)3万5000円前後。(2008年5月発売)。
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズF値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他機能
(参考)
FH20
CASIO EX-FH20

1/2.33型
CMOS

3456x2592
F2.8-4.54.6-92
(26〜520mm)
30〜1/2000秒× 40コマ/秒の超高速連写。ハイスピード(スローモーション)動画撮影。マルチモーション(分解写真)記録、連写式手ぶれ補正機能……など、高速CMOSを使ったユニークな機能満載。この種の機能は他社に比較するモデルがないので、ほしい人にとっては目下ライバルが存在しない状態。
レンズがオリンパスのSP565UZとまったく同じスペックなので、おそらく同じものを使っている。撮像素子は1/2.33型だが、CCDではなくCMOS。これにより高速処理が可能で、毎秒40コマという超高速連写性能を誇る。これはデジタル一眼を凌ぐ性能で、大きなキラースペックとなっている。
スローモーション動画、マルチモーション記録(1枚の静止画中に、動きのある被写体のみを連続して写し込む)、連写後にブレを合成補整する機能など、他のデジカメにはない優れた機能もある。普通は動画機能は無視するところだが、きれいな動画、面白い動画が手軽に記録できる点は魅力。夜景が三脚なしでもぶれないというのもすごい。
……で、どんなにすごいものなのかと思い、買ってみた。
結果は、かなりがっかり。
実際には高速連写も、連写した画像を合成して手ぶれをさらに打ち消すという機能も、使うと書き込み処理に数十秒とられ、使う気がしなくなる。高速連写はシャッターチャンスを逃さないためのものでもあるはずだが、撮っているときに頻繁に数十秒の撮影不能時間帯が生じてしまうのでは意味がない。結果、連写速度を秒あたり40コマ(最高)から大幅に落として使うという皮肉なことになる。また、このクラスでありながらオートブラケットがないのは大いに問題。
基本機能は力不足。画質は1万円〜2万円台の小型機と同等(同サイズの撮像素子に高画素を詰め込んでいるので当然といえば当然か)。また、AFが遅く、なかなか合焦しないのも大きな弱点。補助光を派手に発射していながらAFが合わないというのはどういうことなのか。夜の遠景静止画は合成機能できれいに写るかもしれないが、暗い室内などではAFが追いつかず、ぼけた写真の大量生産になってしまう。
マクロはさらにAFが合いにくい。というより、望遠マクロができない。
本来はこれ1台でほとんどの状況がカバーできる万能機となるはずだが、実際に使うとかなりがっかりする。
その他、キヤノンのSX1、SX10に負けているのはバリアングルモニターではない点。
最上位機種にEX-F1という機種があるが、これはCMOSが1/1.8型・600万画素で、このFH20よりは数段「高画質」であるはず。ただ、レンズの画角が約36〜432mmで、広角が撮れないのが残念。また、実勢最安価格も8万4000円(2008年9月現在)と、かなり高い。しかし、中途半端なFH20を買うよりは、F1を買ったほうが後悔が少ないかもしれない。あるいは、12月に出るキヤノンのSX1 ISか。
また、この値段になると、α300が買えてしまうので、音がしてもいい、重くてもいいという人は、やはりデジタル一眼を買ったほうが満足度ははるかに高いだろう。
実勢最安価格(08年9月時点)6万8000円前後。(2008年9月発売)。

購入実写リポートは⇒こちら

お金があるならぜひほしい! デジタル一眼に負けない高級レンズ一体型モデル

明るいレンズを搭載した高級機は、F3.5-5.6なんていう暗いズームレンズをつけたデジタル一眼などより、よほど強力な道具になります。私のD70(NIKONのデジタル一眼)にはF1.4/50mmという単焦点レンズ(35mmフィルム用レンズなので、見かけの画角は75mm程度の中望遠になってしまう)をつけっぱなしにしています。とりあえず、デジタル一眼を使うのは、F2.0でも間に合わないほど暗い場面しかないからです。F3.5-5.6のズームをつけたデジタル一眼を使おうなどとは、到底思いません。
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズ開放F値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他機能

Fuji FinePix S100FS

2/3型

3888×2592
F2.8-F5.328-400mm30〜1/4000秒手ぶれ補正機能内蔵
大きさ・重さはデジタル一眼レフカメラとまったく同じレベル。見た目は誰もが一眼レフと思うはず。
2/3型CCDを搭載した現行モデルはついにこれだけになってしまったらしい。
待望の手ぶれ補正も内蔵し、一眼レフ用レンズより明るい超広域ズームレンズ。これ1つでなんでも撮れる万能機……のはずだが、操作性の悪さが難点。しかし、こうしたモデルを出してきたフジフィルムには拍手喝采を送りたい。実勢価格は発売後下がり続けてついに6万円台に突入。この性能でこの価格は安いのだが、どうしてもデジタル一眼レフカメラと比較されてしまうのが不利。解像度をもっと落として、操作性も上げてくれれば、本当に夢のようなカメラなのに、まことに残念。テスト詳細記事は⇒こちら(2008年2月発売)。
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズ開放F値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他機能

SONY DSC-R1

21.5×14.4mm

3888×2592
F2.8-F4.824-120mm60〜1/2000秒起動0.68秒、シャッタータイムラグ0.29秒
このカメラはとにかく撮像素子の大きさが最大の魅力。デジタル一眼並みの大きさのCMOSを搭載するという英断に拍手喝采したい。モニターが可動式なのも、広角端が24mmまで伸びているのも嬉しい。確実にこのクラスのライバル機より「別次元」の写真が撮れる。ただし、レンズは飛び抜けて明るいとまでは言えず、特にテレ側の暗さは使いづらい。室内撮影が多い人にお勧め。実売価格が7万円強(2006年11月時点)までこなれていたが、ついに生産終了となり、今は中古を手に入れるにも、下手すると、現行製品だったときより高いかもしれない。(2005年11月発売・生産終了)。
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズ開放F値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他機能

SONY DSC-F828

2/3型

3264×2448
F2.0-2.828〜200mm30〜1/2000秒SONYお得意の「ナイトフレーミング/ナイトショット機能」
かつてのSONYの万能機。F717の後継機種として出たが、F2.0-2.8という明るいレンズの魅力は大きい。広角側が28mmまで伸びているのも非常に助かる。CCDこそ2/3型と小さいが、多くの場面でデジタル一眼より使いやすく、「いい写真」が撮れる可能性を持っている。生産中は8万円台まで価格がこなれたが、製造中止が決まった途端に実勢価格が一瞬にして12万円を超えてしまった。中古価格もなかなか崩れない。ヤフオクなどでは5〜8万円台くらいで落札されているようだ。(2003年12月発売・生産終了)
機種名撮像素子
面積比較
最高解像度
面積比較
レンズ開放F値レンズ焦点距離
(35mmフィルム換算)
シャッター速度角度可変
モニター
その他機能

Panasonic Lumix LC1

2/3型

2560×1920
F2.0-F2.428-90mm8〜1/4000秒×シャッターダイヤル、ズーム、フォーカス、絞りすべてマニュアルリング操作可能。天井ストロボ可能
パナソニックの高級デジカメ路線のフラッグシップだったが、売れないまま生産中止になった。撮像素子が2/3型というところがR1に負けるが(比較の四角形を見ればその差に愕然とする)、レンズの明るさではこちらが勝ち。ただし、ボディのホールド性が極端に悪い(これは一眼レフのL1も同じ)ため、重いわりには手ぶれしやすく、せっかくのレンズの明るさが生かしきれない。「ライカ」ブランドを前面に押し出して、アナログカメラ的な質感を好むマニア層の所有欲をくすぐる戦略らしいが、デジカメとしての使いやすさには大いに問題がある。さらには、オートホワイトバランスが不安定という欠点もある。
中古でしか入手できなくなったが、価格は高めで取引されている。イメージは高級路線を狙っているものの、撮れる写真の質は中途半端な印象が否めない。結局のところ、いちばんの長所は、天井ストロボができる二段階角度の内蔵ストロボだろうか。明るいレンズ+天井ストロボは、室内でのラフなポートレート撮影などで、とても重宝する。この機能、なぜ他製品が真似しないのか不思議なほど威力絶大だ。(2004年3月発売・生産終了)

『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社講談社現代新書) 『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社現代新書 カラー版 税込987円)
  be連載の『デジカメのキモ』で扱った写真をすべてカラーで使い、「デジカメ界の間違った常識・思いこみ・誤解」に切り込む。楽しい写真を眺め、ぐいぐい読める読み物として楽しみながら、読了後にはデジカメ撮影の腕が劇的に上がっているという、一粒で三度おいしい本。
発売初日にたちまち重版決定!    Go!Go!(立ち読み版はこちら)

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(2006年11月書き換え) F828に続いて、LC1もついに製造中止になり、後継機種も出ませんでした。このクラス(レンズ一体型高級機)は消滅するかもしれません。R1がいつまで製造継続されるのか、あるいはR1の後継機が出るのかが気になるところです。
私が理想とするデジカメは、R1の基本性能にLC1の明るいレンズが結びつき、かつ手ぶれ補正機能がついた軽量モデルです。つまり、F2.0-2.4くらいの明るいレンズ(F828やLC1)。大型撮像素子(R1)、可変モニター(R1、A200)、軽量ボディ(A200)、手ぶれ補正機能(A200)。これらが融合したモデル。
しかし、SONYも松下も、デジタル一眼市場に集中するあまり、F828やLC1の改良型を出すことはしませんでした。2006年11月現在、かろうじて現役で残っているR1も、F828が消えてしまったように、この個性を発展させることなく生産中止になる可能性が高いと思います。新品を買うなら今のうちかもしれません。値段もついに7万円前後にまで下がりました。F828が製造中止になった途端、店頭在庫分が一気に3万円くらい値上がりしたように、R1にもきっと同じことが起きるでしょう。

(2006年6月追記)LC1を中古で入手しました(ヤフオクで66000円)。
使い込んだ印象は、欠点として、ボディのホールド性が悪いこと(従って手ぶれしやすい)、ダイヤルリングがすぐに動いてしまうなど、操作系が煮詰められていないこと、重いこと、マクロが弱いこと。
長所としては天井ストロボがかなり効果的であること。
パナソニックが出すフォーサーズ規格のデジタル一眼レフは、ボディ形状がLC1とほぼ同じなので、やはりホールド性に問題ありですね。見た目の押し出し感や質感より、実際のホールド性や軽さを重視してくれたほうがありがたいのに、どうも勘違いしているとしか思えません。長時間持ち歩いたときの疲労度もかなり違います。
また、パナソニックは「ライカのレンズ」を前面に出してPRしていますが、印象としてはコニカミノルタA200のレンズのほうが色味が暖かいし、使いやすい感じ。そもそも、「ライカのレンズ」を作っているのはライカの工場かといえば……。
レンズのブランド名はまったく気にすることはありません。同じ工場でOEM生産されたまったく同じレンズユニットが、メーカーによってCanonになったりLeicaになったりCarl Zaisになったりしますから。
タムロン、コシナ、ペンタックス、シグマ……このへんの工場で作られたレンズはどんなブランド名にもなっているようです。
結局、使ってみるまでは、レンズの質は分からないから、F値くらいしか参考にならないということです。
購入直後のテスト撮影記録などは→こちら
(2008年9月追記)
久々に内容をかなりアップデートしました。
コンパクト機は、もはや値段と軽さと広角性能とレンズのF値のみで選ぶしかなくなりました。CCDの画素数を落とせば、どれだけすばらしい画質になるのか、実に歯がゆい限り。
現在使っているのはNikonのS600中心です。文句をつけるところはいっぱいありますが、数世代前のモデルよりは圧倒的に使いやすく、画質もうまくまとめているので、結局はバリアングルモニターを諦めて、この手のモデルを使うしかなくなりました。面白くありません。メーカーは、コンパクト機をまじめに開発するつもりはもうないのでしょうか。製造だけでなく、設計までも台湾メーカーなどに任せているところが増えているようですし。
そんな中で、中級機に面白い動きが出てきたのが救いです。カシオはフラッグシップモデルが1/1.8型CMOSで600万画素。コンパクト機の高画素競争をさんざん煽っておいて、ここにきてさっと作戦変更ですか? 慌ててキヤノンが続いているようですが、どうなることか。
来年、お金に余裕があれば、SX-1ISあたりを買ってしまうかもしれません。
(2008年10月4日追記)
カシオのFH20を購入しました。その実写リポートを「阿武隈日記」の中に載せています。⇒こちら
この結果、FH20は推薦機種の中の「参考」としました。

(2008/10/19 updated)


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